スポーツが好きなら、高校からでも大成する可能性がある
しかし、スポーツの種目によって、選手としての完成形を迎える年齢は当然まちまちです。前述した卓球、水泳、体操、サッカー、ゴルフ、野球に共通する点は何か? それは道具をうまく使いこなすことや、特異的で非日常的な動作が含まれるスポーツである、ということ。
単に走ったりボールを直接手で扱うだけではなく、最初に覚えなければならない技術的な要因が非常に複雑なスポーツなのです。
図2をご覧ください。2008年の北京オリンピックに出場したさまざまな種目の選手が、その種目を専門的に始めた年齢をグラフにしたものです。私たちがこれまで、「スポーツを始めたほうが良い」と思っている年齢、すなわち小学校の低~中学年時代に始めていなくとも、十分にオリンピックで活躍できる種目が多く含まれています。
また、すべてのスポーツの基礎となる陸上競技などは、日常から行っている動作の延長線上にあり、技術的にもあまり複雑な要素を含まないため、それまでほかのスポーツ種目を行ったあとに高校生から専門的に始めても、十分にオリンピック選手になれる可能性があることがわかります。
近年では日本の十八番となった400mリレーですが、その選手のほとんどが、中学時代までは陸上競技を専門としていません。サッカーや野球など、ほかの種目から、高校に入って転向してきた選手たちです。
つまり、その種目をどれだけ早く始めたか、ということはあまり関係なく、幼少期からさまざまなスポーツに取り組ませる中で、いかにその楽しさを伝え、「飽きさせない」ようにするかが、我が子がスーパーアスリートになる、“大前提”と言えます。
3/3