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日本酒の味は多種多様。朝日酒造の燗酒を飲み比べ!

辛口の熱燗はいわゆる「THE 酒のつまみ」と相性ピッタリ。
──山廃以外で燗酒におすすめの日本酒はありますか?
遠藤 一般的に、辛口の本醸造は合うと思います。久保田でいえば特別本醸造酒の「久保田 百寿」でしょうか。
精米歩合が60%で、お米の旨味成分が残っているのが特徴です。後味はすっきり辛口で、久保田ではいちばんベーシックなお酒。温めることで、より辛口に感じられるので、辛口好きにはオススメです。合わせる料理は、塩辛などの「THE 酒のつまみ」と相性がいいと思います。さ、ひと口どうぞ。
──(グビッ……)うん、辛口で、どんな料理にも合いそう!
遠藤 もし「久保田 百寿」を気に入ってくださったのであれば、新潟の地元で長年親しまれている普通酒の「朝日山 百寿盃」も飲んでみますか?
──地元銘柄ですね。
遠藤 精米歩合をほかのお酒よりも抑えているので、かなりしっかり目のお米のコクと複雑性を感じられるお酒です。常温で飲んでいただいても「久保田 百寿」とはまた違った味わいになっています。これは、55℃〜60℃の飛び切り燗で、うんと辛さを味わって飲んでもらうのがおすすめですね。
まだ昼の12時台だというのに、徐々に顔が赤くなってきた遠藤さん。
──これ、毎日飲んでも飽きなさそうです。
遠藤 このお酒は旨味が強いので飲みごたえはあるのですが、一方で旨味や甘みを雑味と捉える方もいます。そんなときは温めることで雑味がマスキングされ、飲み口がすっきりします。
──驚いたのは、同じ銘柄でも温度によって味が思いっきり変化したことです。
遠藤 日本酒は、温度によって印象がガラリと変わります。一度熱燗にしたものを常温に戻してから飲む「燗冷まし」という飲み方もあって、ただ常温で飲むのとまた違った味わいが楽しめます。
温かい日本酒と冷たい日本酒、どっちが好きか……ではなく、どの日本酒をどの温度で飲むのが好きか、という視点で考えると、日本酒の楽しみ方はグッと広がるはずです。
──この季節はどんどん熱燗を試したいところですね。
遠藤 私は入社後の数年間、新潟でお酒造りをしていました。冬はとても寒かったのですが、夜勤明けに、自宅に帰ってお風呂に入り、寝る前に熱々の燗酒を飲むと、程よく酔って、身体も温まってすぐに眠れましたよ。
日本酒造りは寒い地域で活発ですが、そうした地域では温めて日本酒を飲む人も多いです。全国の皆さんにも試してほしいですね。
日本酒は正解のない、自由なお酒です。生原酒も一般的には燗酒には向きませんが、この燗酒が甘くて好きという方もいます。ぜひ、いろいろな燗酒にチャレンジして、自分の好みを見つけてください。
最後のほうはもうスゴいことになった。
 
[取材協力]
朝日酒造
www.asahi-shuzo.co.jp
横尾有紀=取材・文


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