「燗酒」に向かない日本酒。その特徴は?
──なるほど。では、改めて熱燗向きの日本酒はどんなのでしょう?遠藤 前提として、もともと熱燗で常飲されていた飲み物ですので、基本的にはどれも美味しいです。
──……なかなか教えてくれませんね(笑)。遠藤 いえ、そういうわけではないのですが(笑)。日本酒は基本的に熱燗で美味しく飲めるお酒なので、先に“不向き”とされている種類を覚えておくといいかもしれません。
一般的に、
香りが華やかなタイプや、アルコール度数が高いタイプ、それと加熱処理をしていない“生酒”が燗酒に向かないとされています。
温かくすると甘味や香りの成分がより引き立つようになるので、味わいのバランスが崩れて、甘ったるくなり過ぎてしまうことがあるんですね。
──なるほど。例えば「久保田」でいうとどのお酒ですか?遠藤 「久保田 千寿 吟醸生原酒」という年に1回発売の、搾りたてフレッシュな味が楽しめる生酒なんかはそうですね。アルコール度数が19度と高く、冷たいままでも味わいにパンチがあります。
だからこそ、温度を上げるとさらにアルコールを強く感じ、エグくなってしまうという声がある。
このお酒は、生原酒の中でも後味がキレイなタイプなので、飲む30分ほど前に冷蔵庫から冷凍庫に移し、キンキンに冷やした状態で飲むのがおすすめです。また、度数が高いので、氷を入れてロックで飲むのもいいですよ。
──燗酒と真逆なんですね。 3/4