かなりお安い立ち飲み屋価格。しかし、店主の島香さんが「美味い肉を気軽に食べられる店で勝負をしたくて」と語るだけあって本気の味だった。
さて、和華さんは東京・上野駅の近くで生まれ育った。上野公園で遊び放題かと思いきや、「3歳から水泳に打ち込んでいたので、遊ぶ暇はまったくなかった」そうだ。
「かなり落ち着きがない子供で道路にもすぐ飛び出すから、しょっちゅう交通事故に遭うんです(笑)。7歳のときにも轢かれて、くも膜下出血で親を心配させました」。
また、小学生の頃に自分でお風呂に入ろうと思って溜めたお湯が熱湯。左脚の膝下に大火傷を負い、即入院。さらに院内感染でICUに移された。
「お医者さんからは『今夜が峠です』と言われたらしいんですが、なんとか復活しました」。
全国中学校水泳競技大会やジュニアオリンピックにも出場したというからすごい。ここで常連さんが注文したハイボールをなぜか和華さんが受け取った。
「いつもご馳走してくださるんです。トマトも私が食べたいと言ったから注文してくれました(笑)」。
入店から30分。和華さんから「すみません、忘れてました!」とおしぼりを渡された。
そして、医学部に進学した理由を聞いて涙した。
「ちょっと格好つけてる言い方になっちゃいますが、私、お母さんが大好きなんです。あ、お父さんも好きですけど。だから、両親とか大事な友達が風邪を引いたりケガをしたりしたときに自分で診療できたらなと思って」。
感動しつつ和華さんを見ると、お客さんが注文した料理に箸を伸ばしている。
「この自家製チャーシューも最高に美味しくて。あ、彼は大学の友達です」。
ここで2回目の来店だというカップルが登場。大学の友達ともすぐに打ち解けて盛り上がっている。
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