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絶対に譲れない美しさと人馬一体

マツダ車の特徴といえば、上記のエンジンのほかにも、言及しておくべき点がある。
ひとつはデザインの美しさだ。
マツダは2012年のCX-5から「魂動(こどう)デザイン」を全車のテーマに据えている。その時代にフィットさせながら、「生命感をカタチにする」という根底の部分はブレていない。何しろ全社の意思共有を図るため、魂動デザインをカタチにしたオブジェがあり、それを社内ではご神体のように大切にしているほどだ。
現時点での最新のデザインコンセプトを表現したモデル、ビジョンクーペ。2018年に世界各国の自動車メーカーの現役デザインディレクターを中心とする審査員の投票で「コンセプト・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。
そもそもコスモスポーツをはじめ、昔からマツダのデザインには定評があった。1992年にデビューしたユーノス500は、数々の名車を手掛けたカーデザイン界の巨匠ジウジアーロが「世界で最も美しい小型サルーン」と称えたほどだ。
ユーノス500。全長約4.5mの4ドアセダンで、1.8L〜2Lエンジンを搭載していた。当時の販売店ブランド「ユーノス」で1992年から1996年にかけて販売されていた。
もうひとつの魅力は、頑なに人馬一体な走りこだわっていること。
車とドライバーが一体化する、いわゆる人馬一体という言葉は、同社で度々使われる。だからこそのエンジン開発や「魂動デザイン」なのだが、もうひとつ端的に表れているのが、他社よりもMT車をラインナップする割合が極端に多いことだ。
現在ラインナップしている全11車種のなかで、マツダ3のセダンとCX-8以外には、すべてMT車が用意されている。セダンでもコンパクトカーでもSUVでも、車を自ら操る楽しさを味わってほしいという同社の思いは、もしかしたらMT車でこそより、味わえるのかもしれない。


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