サーファーからロッククライマーへ
マイクは、西海岸でも有数のビーチタウンであるニューポートビーチで育ち、毎日のように仲間とサーフィンを楽しむ少年時代を送っていた。しかし、クライミングに出会った日から、彼の足は山へと向き始める。
当時、クライミングは現在ほどメジャーな存在ではなく、流通するギアやブランドも少なかった時代だ。しかし、手先が器用で、創意工夫が大好きな少年であった彼にとってはなんの問題もなかった。クライミングに必要なギアは、なんでも自作してしまっていたからだ。
クライミングを始めたマイク少年が、岩登りの聖地「ヨセミテ」に、どっぷりと入り浸るようになるまでに、それほど時間はかからなかった。なんとか高校を卒業すると、クライミングバム(仕事に就かず、通年クライミングばかりして過ごしている人のこと)としての生活を始めた。
そして、同世代の仲間たちとのグループ「ストーンマスターズ」を結成する。彼らは、登攀道具に頼らない独自のスタイル(岩を傷つけず自然に優しいが、とても危険!)で新たな難ルートを次々と切り拓き、あっという間に世界中に名を知られる存在へと成長していった。
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