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軽快さが魅力の「旅」する時計

広田雅将●1974年、大阪府生まれ。腕時計専門誌「クロノス」編集長。腕時計ブランドや専門店で講演会なども行う業界のご意見番である。その知識の豊富さから、付いたあだ名は「ハカセ」。
広田 そう、軽快なんです。どうでもいい話ですけど、ぼくのすごく好きな歌手にジュリア・フォーダムってのがいて、その人の1997年の楽曲に「イースト・ウェスト」っていうのがあるんです。この時計、実はそこから名前を取ったんじゃないかなと密かに思ってるんですけど……。
安藤 ジュリア・フォーダムの「イースト・ウェスト」をこの時計の中に感じると?
広田 そう。えっとね、この曲って、男に振られた女性があちこちに行ってみたけどあなたのことが忘れられない、みたいな歌詞なんですけど、要は、あっちこっちに行くわけですよ。
安藤 ほう。あっちこっちと違う男のところに?
広田 違う違う、場所の話です(笑)。この時計も、トラベルクロックに範を取って、あちこち行くわけですよ。東へ西へと軽やかに。
安藤 つまりは「旅」がテーマということですね。
広田 そう言っちゃうとそこで話が終わっちゃうけど、まぁそういうことです(笑)。

安藤 ところで、時計の質という意味では広田さんはどう思いますか?
広田 先ほども出ましたけど、いろいろな意味で軽快で良いなと。
安藤 時計専業のトップブランドとダブルネームを続けてきただけに、さすがにツボを押さえているという印象はありますよね。
広田 多くのジュエラーの場合、宝飾品に関してもトップピースだけで勝負している感じがあるじゃないですか。でも、ティファニーは違う。トップピースは持ちつつも、比較的手軽に買えるものも用意しているところが、ティファニーの強さだと思うんです。


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