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自動巻きクロノの50周年を祝う最高傑作

2019年に登場したクロノ・モデル。「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック」/ブルガリ
2019年に登場したクロノ・モデル。「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック」。チタンケース、42mm径、自動巻き。188万5100円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン 03-6362-0100)

 
広田 そして、2019年に発表された「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック」はもう最高! 今年は自動巻きクロノグラフがこの世に誕生して50周年になりますが、それを祝う時計としてはこれがいちばん、とさえ思います。それくらい出来の良いクロノグラフです。
安藤 これも自動巻きクロノグラフの世界最薄レコードですよね。ケース厚はわずか6.9㎜しかない。デザイン面でもプッシュボタンがもともとのオクトのデザインの世界観にしっかりと収まっていて、まったく違和感がないです。
広田 デザイナーのファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニは、もともとフィアットとかのデザインをしていた人なんです。ガンダムの絵とか描かせると超うまい(笑)。
安藤 なるほど、インダストリアルデザインの人なんだ。わかる気がする。

ボタンの押しやすさなど、手への収まりも抜群にいい。
広田 この時計はGMT機能も良いですよ。9時位置のプッシュボタンをペコペコっと押すと、時針が動かせるのでかなり便利。
安藤 時針だけを単独で調整できるのは、海外出張のときとかに重宝しますよね。普通の時計だと分針まで再調整しないといけないから、時針の修正している間に何分だったか忘れちゃう(笑)。これだけの完成度で200万円を切ってるのはかなりリーズナブルなんじゃないでしょうか。
広田 僕もそう思います。
安藤 ラグジュアリーブランドの時計って、実はコスパ高いのが多いですよね。「自分たち、専業じゃないんで」って顔して、戦略的な値段にしちゃっているところがある気がします。だから純粋に質だけを追求して選ぶなら、モデルによっては実は狙い目なんじゃないかと。それでいて感度はいいから、流行もしっかり押さえてるし。

広田 薄型が人気になりそうだとなると、そこに一気に資本投下が行われる。
安藤 そうそう。振り返ってみると、ブルガリは1970年代には、当時の最先端にして高級品でもあったデジタル時計を発表したりもしている。つまりは、流行に対する攻めの姿勢もずっと一貫してます。
広田 もともとブルガリって超ハイジュエラーで、超すごい顧客しかいなかったから、時計に関しては間口を広げるために楽しく自由に作る、みたいなところがあったんだと思います。新しいものへの挑戦マインドは強いのは当然といえば当然。
安藤 じゃあそろそろ、ブルガリの時計についてのまとめをお願いします。
広田 繰り返しになっちゃうけど、今のブルガリの時計は突然生まれたわけじゃなくって、技術的にも、精神的にも、ちゃんとした歴史の裏付けがあるということでしょうか。そして、このオクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティックに関しては、実用性も高くてすっごく良い、ということだと思います。
 
[問い合わせ]
ブルガリ ジャパン
03-6362-0100

関 竜太=写真 いなもあきこ=文


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