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最薄の記録保持者「オクト フィニッシモ」

ラグジュアリーブランドのスゴい時計【3】
ブルガリ「オクト フィニッシモ オートマティック」
ブルガリ「オクト フィニッシモ オートマティック」
ケース厚わずか6.85mmの薄型自動巻きモデル。マットな表情も男好み。「オクト フィニッシモ オートマティック」。チタンケース、40mm径、自動巻き。152万2000円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン 03-6362-0100)
安藤 で、初代オクトも十分素晴らしかったんですが、超薄型の「オクト フィニッシモ」が出てきたときの衝撃ってのが、さらにすごかった。僕なんかは正直ちびりましたね。
広田 めちゃくちゃすごい!って、僕も思った。
安藤 腕時計のデカ厚ブームが終焉を迎え、時計専業ブランドが世界最薄競争を始めたとき、時計専業じゃないブルガリが、突然そのトップ争いの中心に躍り出るという……。
広田 薄い時計はそれだけでも使いやすいんですが、オクト フィニッシモは薄さ以上の着け心地を追求してるんですよね。たとえば、このバックルちゃん。装着時、ブレスレットとバックルが完全にフラットになるから、着けていてストレスがないんです。
安藤 バックルの裏も表もブレスレットからのバックルの出っ張りが見事にないですもんね。

広田 そう。多くのブランドがブレスレットを専門メーカーに外注するなか、ブルガリって基本的に、ケースもブレスレットも自社製なんですよ。だから、こういうほかにない設計ができちゃうんです。完全に納得できるところまでやり切って、イエーイっていう仕上がりを得た。すごくアリな時計。
安藤 モダンなデザインも魅力ですよね。薄型時計って割と普通のデザインのが多いから。オールチタンで、グレーと黒のツートーンカラーってのがまた良い。で、ここから快進撃が始まる。2014年に手巻きトゥールビヨン、2016年にミニッツリピーター、2017年に三針自動巻き、2018年に自動巻きトゥールビヨンで、当時の最薄ワールドレコードを樹立していきました。
広田 ブルガリの薄型時計の技術って付け焼き刃じゃなくって、ちゃんとした技術の裏付けがあるんです。ブルガリはジェラルド・ジェンタと有名時計師ダニエル・ロートが共同で作った工場を買収して自社統合してるんです。この工場、もともとミニッツリピーターとかグランソヌリといった超複雑時計の製造が得意だったんですよ。こういう時計は部品点数が1200個とかになるから、必然的にそれを薄く組み上げる設計と技術が必要になる。そうしたノウハウが蓄積されていたんですよね。
安藤 いきなり出てきてワールドレコードをバンバン出してると思われがちだけど、実はそこには理由があるんだぞ、と。


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