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パネライ「ルミノール」
のベストチョイスとアナザーチョイス

左から「ルミノール ベース エイトデイズ アッチャイオ-44MM」、「ルミノール マリーナ-42MM」/ともにオフィチーネ パネライ
[左]SSケース、44mm幅、手巻き。67万円、[右]SSケース、42mm幅、自動巻き。92万円/ともにオフィチーネ パネライ 0120-18-7110
[左]ルミノール ベース エイトデイズ アッチャイオ-44MM [右]ルミノール マリーナ-42MM
1930年代にイタリア海軍のための最初のモデルが製作されたが、軍事機密として厳重に扱われていたパネライは’90年代になってようやく一般販売が許された。そのときの衝撃を今も伝える貴重なモデルが、この「ルミノール ベース エイトデイズ アッチャイオ-44MM」だ。“ベース”の名のとおり、きわめてシンプルながら独特なリュウズプロテクターをはじめ、ブランドの特徴を余すところなく備えた名機。最初に手に入れるなら、まずこれだ。
そして、次なる選択肢は深い海を思わせるブルーダイヤルが印象的な「ルミノール マリーナ-42MM」か? アイコニックなリュウズプロテクターの意匠をスチール製ブレスレットのパーツに表現。接合部をスクリューなしでつなぐことでしなやかなフィット感を実現した。9時位置にスモールセコンドを備える完全自社製造のムーブメント「Cal.P.9010」は、毎時2万8800振動の高精度と3日間のロングパワーリザーブを備える、モダンな高性能ムーブメントなのである。
選択したのはこの人!
Gressive編集長 名畑政治さん 
1959年、東京都生まれ。時計専用ウェブマガジン「Gressive」編集長。時計以外にもカメラ、アウトドアなどに精通。最近は増えすぎた時計コレクションの整理を考えるも、魅力的なモデルが次々現れ、一向に減る気配がないとか。
 
 

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1」
のベストチョイスとアナザーチョイス

左から「ランゲ1」、「ランゲ1・ムーンフェイズ」/A. ランゲ&ゾーネ
[左]K18WGケース、38.5mm径、手巻き。362万円、[右]K18WGケース、38.5mm径、手巻き。468万円/ともにA. ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080
[左]ランゲ1 [右]ランゲ1・ムーンフェイズ
今では11モデルのバリエーションを誇る「ランゲ1」だが、まずベーシックなものを選びたい。“素”のモデルを手にすることで、最もピュアな本質に近づくことができるだろう。特にK18WGケースと白文字盤の組み合わせは、色を排することで独自のデザインを浮かび上がらせる。
最大の特徴は、各表示要素を中心からずらしたオフセンターのレイアウトにもかかわらず、黄金比や二等辺三角形に沿うことで幾何学的に整理され、渾沌を収束していることにある。それはまるで秘めた数式のようであり、理路整然としたドイツ時計の論理性を感じさせるのだ。自らに課したこのルールはバリエーションでも崩すことはなく、そのデザインに多彩な付加機能をそっと忍ばせる。
その点からするともう1本は、予算と必要な機能で決めればいいが、私見で選んだのは「ランゲ1・ムーンフェイズ」だ。黒文字盤に浮かぶ月は美しく、それは冬の月光のように冴え渡り、孤高なブランドの精神性を象徴している。
選択したのはこの人!
時計ジャーナリスト 柴田 充さん 
1962年、東京都生まれ。メンズ誌を中心に、時計だけでなく、クルマやファッションなど幅広いジャンルの記事を執筆。現在の愛用時計はA.ランゲ&ゾーネの絶版モデル「ランゲ1 ルミナス」。スポーティな黒文字盤がお気に入り。
 


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