うまくいく秘訣は「公私混同」
ーーユニットという形は、2人の人間が常に向き合わざるを得ないから大変なこともあるでしょうね。三船 大変ですよ(苦笑)。
中原 うん、大変だね(苦笑)。
ーー史上「これはヤバかったぞ」という時期はありましたか?三船 今ですね。
ーーえっ!?中原 うん、間違いなく今だな。
ーーえーと(汗)、それは音楽に対する姿勢が違ってきたとか、そういうこと?三船 そう。僕から見て、中原くんが辿り着こうとする目標に対して怠惰だったりとか。
中原 う〜ん……それは怠惰というよりも、なんか、自分に対してブレーキかけてる部分があるんですよね。
ーーそれこそ補完関係なんじゃないですか。一方が熱くなったら、もう一方が「落ち着こうよ」っていうのは、理想的な関係に思えるけど。中原 ……そこらへんのことがわかったら、もっとうまくいくと思うんですけどね(苦笑)。
三船 今、絶賛解明中なんです。2人の関係を再定義しているところです。小さいときからずっと一緒にいるから、ある種当たり前すぎて、ありがたみに気づいてないのかもしれないし、関係を俯瞰して見る必要があるのかも。
ーー長く付き合っているとそうなりますよね。三船 音楽作ってるときは毎日感情のアップダウンがあるから、衝突もありますしね。でも、そんな状況でもこの人、スーパー・マイペースなんで気にしないんですよね(笑)。それが関係が続いてる秘訣かもしれない。
ーーそれで三船さんが助かってる部分はあると思いますよ。三船 わかってるんですよ、それは(笑)。いい意味でも悪い意味でもブレないんですよね。そこは見習いたい。
ーーそんな2人のパワーバランスはバンドにどう影響していますか? 友達とはいえ、仕事となるとシビアになる場面もありますよね。三船 うん。でも情はあるんだよね、いつも。その辺のバランスはホント難しいんですよ。本当にビジネスとして捉えて、このパートにはこの人が最適だと思って人選して構成したバンドじゃなく、不思議な形で癒着したまま育ってきてるから。でも、僕のモットーが「公私混同」なんで(笑)。生活と仕事が混ざり合ってる状態でこれまでやってきたし、そういう意味では、そもそもドライにはなり得ないんですよ。
中原 ずっと一緒にいるから、成長したとしてもお互いあんまり見えてないし。たまに会った人が三船に「ギター上手くなったよね」とか言ってるんですけど、そういうのも僕は気づいてないので(笑)。彼なりにいろいろ試行錯誤して、歌い方を変えたりしてるのはわかりますけど。
ーーそういうのは「わかってるよ」って伝えるの?中原 いや、言わないです(笑)。
ーーハハハ。なんか、長続きしてる理由がわかってきた気がします(笑)。 4/4