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トレイルコースへ向かう急坂でe-MTBの実力を実感する

――そろそろ、土の上を走るのも慣れてきました。
じゃあ、少し上ったところからトレイルコースに入ってみましょうか。
――(上りに差し掛かって、e-MTBのモーター音が力強くなる)うおっ、これスゴいですね。
そうでしょう(ニヤリ)。いま上っているのは、15%くらいの斜度ですが、ふつうの自転車だとかなりの負荷がかかりますね。
登坂
左が小笠原さん、右が筆者。前傾する必要がないほどの余裕をもって上りきることができる。
――笑っちゃうくらい、力が要らないんですね(笑)。踏み込むだけで、自然と前進する力が加わってます。
そうなんです。もちろん、姿勢を保持するだけの力や、一定程度の力を加える必要はありますが、ほぼ歩くのと同じくらいの強度で、急斜面を上ることが可能ですよ。
<MTB・e-MTB乗り比べレビュー②:急坂>
MTBでも坂を上ったところ、驚くほど負担に差がある。最も感動したポイントは、平坦な場所と同じく漕ぎ出しだ。MTBは一般の自転車より車体が軽いものの、立ち漕ぎでよじ登る感覚が大きい。

森林の中を走り抜ける格別な爽快さ

――(コースの入り口に到着)
私が先導しますので、ついてきてください。くっつきすぎると危ないですが、通った轍を踏むような感覚で。ただ、くれぐれもゆっくり、無理をしないで走るように。
――目線は安全なほうに向けて、ですね。
そうですね。危険なほうを向くと、その方向に進んでしまうので。今回通るコースに登坂はありませんが、先ほどの平坦で練習したような凸凹と、ヘアピンカーブがあるので、気をつけながら、進んでいきましょう。
トレイル
トレイルコースを走り始める。路面は主に砂利と土で構成されていた。小笠原さんの背中を見ながら、慎重に車体を進めていく。
凸凹
コース内にある連続した凸凹道。
――(途中で立ち止まって)思ったよりも、振動がないんですね。サスペンションがかなり利いている印象です。
このくらいのオフロードであれば、そこまで振動は感じないはずですよ。車体によってもサスペンションが違っています。後輪にもサスが付いているタイプだと、さらに振動が少なくなります。
<MTB・e-MTB乗り比べレビュー③:トレイルコース(下り)>
下りがベースとなるコースの場合、道中ではe-MTBの実力はそこまで発揮される余地はない。というのも、ペダルを踏み込むことがそこまで多くないからだ。逆に、不意な踏み込みにより、予想外の前進の力が働いてしまうため、やや慣れが必要な印象を抱いた。
急カーブ
コース終盤に登場した、ヘアピンカーブ。スピードがついていると、かなり怖いが、小笠原さんはグイグイと攻めていく。
――(ヘアピンカーブを曲がったあと)ハァハァ…。スリル満点ですね(笑)でも、山の中を走り回れるって、ドキドキします。
なかなかない体験ですよね。私はこれが楽しくて30年以上続けているんですが(笑)。ところで、カーブの練習の成果は出せました?
――それがなかなか……。一番難しかったのは、スピードの制御と目線の移動ですね。カーブの途中まで行ったら、コースの先を見るというのは、恐怖が勝ると下を向いてしまって。
そこは慣れかもしれませんね。ただ、練習でも言ったように、恐怖を感じると腰が引けてしまいます。だからこそ、最初はゆっくりと優しくブレーキをかけながら進んでいきましょう。
<MTB・e-MTB乗り比べレビュー④:トレイルコース(急カーブ)>
車体が重い分、e-MTBのほうがカーブしにくいと思いきや、そんなことがなかったのは意外。というのも、車体が軽いと逆にスピードが上がりすぎて制御が難しいことがあるからだ。重量があるからこそ、初心者はe-MTBのほうが扱いやすいのかもしれない。
相模湾
遠くに相模湾を望みながら、出発した「スキルパーク」近くまで戻ってきた。


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