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OCEANS Fashion X Talk
「2桁万円は走行距離10万km超が多いんですが、これはワンオーナーで6万5000kmほど。見つけたときに、これはそうないな、と思い購入しました」。
2006年式だから13年前の車。カイエンをはじめ現行型のポルシェはどれもがシュッとしているのに対し、どこかかわいい顔をしている。「むしろ、この顔がいいんですよ」と田島さん。
もちろんノーマルをそのまま乗るような田島さんではない。ホイールはマットブラックのタイプに変更、タイヤは本格的なオフローダーが履くマッドテレーンタイヤに。フロントにはダミーだが4連フォグランプを備えた。
基本的にポルシェ・カイエンに乗る人は、泥地や山道でなく高級ホテルへ行く人が多い。「でもポルシェって、かつてラリーに出場してましたよね?」と田島さんは言う。
確かに1960年代、ポルシェは911のラリー仕様車で一時期黄金期を築いたほど、ラリー参戦に積極的だった。その際、フォグランプをフロントに4灯並べていたのだ。このハズし方、さすがです。
見た目だけではない。このカイエンは車中泊仕様にアレンジされていることがほかとは大きく違う点だ。「僕の車は基本、車中泊前提ですから」。
そのルーツを聞けば、田島さんが初めて父に乗せられてトヨタ・マークIIのセダンで車中泊をしながら自宅のある茨城県から、父の実家のある長崎県まで旅行したことにある。「僕は小さかったから後席に横になれた。父は運転席を倒して寝ていました」。
その旅の楽しさが原点となり、大学生になって初めて自分で買ったのが、車中泊できる軽自動車ワンボックスカーだ。以降、フォードのトーラスワゴン、メルセデス・ベンツのMLクラス、仕事上「世の中の需要を体感してみようと購入した」というミニバン、フォルクスワーゲンのトゥーランやメルセデス・ベンツのEクラスワゴン。
そして長年「カードローブ」の顔として雑誌などにも数多く登場してきたダイハツ・ロッキーがある。カイエンが来たことで、ロッキーは同社の顧客の代車として次の人生を歩むことになった。
いずれも車中泊できる車を選んできた。「一度スマートの2人乗りで車中泊できたら面白いなと購入してみたんですが、さすがに全長が短すぎて物理的に無理でした(笑)」。
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