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エコだけじゃない、Iペイスが証明したEVの高い走行性能
EVが出始めた頃、「モーターとバッテリーで走る電気自動車は、自動車メーカーじゃなくても簡単に造れる」なんてことを言う人も多かった。けれども、外部からEVに参入した企業が次々と成功を収める、ということにはなっていない。その理由は、ジャガー初のEV、Iペイスに乗るとよくわかる。
アクセルペダルを踏み込むと、じわーっと、滑らかに、かつ力強い加速感を味わえる。一説によるとジャガーはV型12気筒エンジンを筆頭に、過去の傑作モデルの「これくらいアクセルを踏むと、これくらい加速する」というデータをすべて解析しているらしい。そういったこれまで築き上げてきた資産を盛り込んで、「運転している人が気持ち良くなる」方向にチューニングしたら、新参メーカーはかなうまい。
ジャガーはもともと1950年代のルマン24時間レースを席巻してスポーツカーで名を上げたメーカーで、それはIペイスにもしっかりと受け継がれている。走りはしなやかで、コーナーの連続ではまさにネコ科の動物のような身のこなしで攻略する。
しかも、重たいエンジンを鼻先に積む従来の車と違って、重量物のバッテリーを床下に積むIペイスは、重心が低いのでフラつかない。道路にぴたりと吸い付くように走る。
「EVなんてだれでも造れる」「EVなんてどれも同じになる」という意見に、名門ジャガーはIペイスで真っ向から反論したのだ。
西崎博哉(MOUSTACHE)=写真 サトータケシ、iconic=文
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