連載「週末ファーマーズライフ」
都市部に住む大人の男の間で、ちょっとした話題となっている「週末農業」。子供の食育にもいいし、なにより土をいじって野菜と向き合えば、心も体もキモチいい! 週末ファーマーズ志願者たちに送る、農業スタイル提案。
“都市型農的ライフスタイル”を提唱し、渋谷界隈を中心に活動を展開する「URBAN FARMERS CLUB(以下、UFC)」。そこでは、ビルの屋上や商業施設のコンコースなどに創られたユニークな「畑」を中心とした、アーバン・ファーマーを志す人々による“自由で緩やかな”コミュニティが醸成されている。
UFCのメンバーたちはどのような形で、そしてどのようなスタンスで“農”と向き合っているのだろうか。結成初期から参加しているというオーシャンズ世代の姿から、UFCが提案するライフスタイルの魅力を探ってみよう。
街着で行う“チャラい農業”。でも、それが大事なんだ
とある週末の朝。場所は、渋谷駅南口から徒歩5分ほどの場所にある複合施設のコンコースに設けられた、UFCが運営する「畑」のひとつとなる「渋谷リバーストリートファーム」。ここで毎月開催されているストリーム農業部のワークショップに参加するため集まったUFCメンバーの中に、今回の“主人公”上田元治さん(46歳)の姿を見つけた。
白シャツにネイビーの短パン、そしてスリッポン。まるで、近所の公園へ散歩にやってきたかのようなファッションは、いわゆる“農作業”のイメージとは、だいぶん離れたものだ。
「UFCの活動に参加するときって、だいたい何かの“ついで”なんですよね。今日も、仕事の前にちょっと立ち寄ったという感じですし。だから、特に“農作業”を意識した格好をすることはありません」(上田さん)。
周りを見ればほかのメンバーの装いも、都会に溶け込むごく自然なもの。小規模なUFCの「畑」で行う農作業は、特定の作業をのぞき、せいぜい「手が汚れる程度」で済むのだという。
「一言でまとめれば“チャラいファーマー”なのかも(笑)。メンバーのスタンスは人それぞれでしょうが、僕の場合はそんな感じですね。都合が合うときだけプラッと参加して、オイシイところだけもらってる。もちろん主催の小倉さんを筆頭に、大半の方々は真面目に活動されているわけですが、僕のようなスタンスのメンバーがいることもまた、UFCにとって結構大切なんじゃないのかなと思っていて」(上田さん)。
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