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食材すべてに意味がある「ししとうのきんぴら」薬膳Ver.


 ありがとう。
ママ やっぱりアナタ。目に相当疲れが来てるみたいね。店に入るときに頭ぶつけたの、かすみ目でしょ。仕事でも目を使うものね。
 さすが、お見通し。しかし、このきんぴら美味いね。すった黒ごまとじゃこが絶妙に絡んでて。おまけに菊の花なんかちらしちゃって、見た目もいいし。
ママ うれしいじゃない。
 で、なんでししとうなの?
ママ ひとつは、ししとうは目に効くから。薬膳の世界では「明目(めいもく)」って呼ぶんだけど。ししとうにもその効能があるわけ。ついでに言うと、きんぴらに添えた菊の花もその役割があるのよ。
<今晩の薬膳用語①>
明目(めいもく)=薬膳においては、かすみ目や眼精疲労、視力低下など、目の機能低下を改善する働きのこと。目を酷使する現代社会で注目されるべき効能。
 
 へぇ、なるほどね。こないだ目を酷使してたら白目が真っ赤になったんだけど、関係ある?

ママ なくはないわね。目が弱ってる場合は、中医学でいうと「肝(かん)」「腎(じん)」の弱まりが大きな原因だから、そこを補ってあげることが必要なの。
<今晩の薬膳用語②>
肝(かん)=中医薬膳の考え方の1つとなる「蔵象学説」における「五臓六腑」の「五臓」のひとつ。「肝」の主な働きは、気の疏泄作用(発散させたり、スムーズに流したりする)と、血の蔵血作用(血液を貯蔵したり、血液量を調整したりする)。また、目の働きに強く関わるとされている。ストレスと関わりが強く、この属性が弱っているときはストレスを抱えている証拠。
<今晩の薬膳用語③>
腎(じん)=こちらも、肝などと並ぶ「五臓」のひとつ。いちばんの働きは「蔵精(元気のもと)」で、発育や老化に関係が深い。「腎」を養生することで老化や美容などの予防につながる。体の部位としては、耳、骨、脳、歯などの働きとの関わりが深い。
 


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