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2019.08.31

ライフ

都市の中に「畑」をつくるURBAN FARMERS CLUBが目指すもの

畑
連載「週末ファーマーズライフ」
都市部に住む大人の男の間で、ちょっとした話題となっている「週末農業」。子供の食育にもいいし、なにより土をいじって野菜と向き合えば、心も体もキモチいい! 週末ファーマーズ志願者たちに送る、農業スタイル提案。
食や自然に対する関心の高まりともに、都市生活者がライフスタイルの一環として“農”と接する手段も多様化している。当連載で紹介した『シェア畑』のようなサポート付き貸し農園サービスは、その最先端といえるだろう。
とはいえ、実際に畑を借りての農業体験に対し、ハードルの高さを感じてしまう人も、まだまだ多いはずだ。そこで注目してほしいのが、「作物を育てる」ことの楽しさや根本的な意義を、より気軽に感じられるイベントやサークルの存在である。
その中から今回は、“都市型農的ライフスタイル”を提唱し渋谷界隈を中心に活動を展開する「URBAN FARMERS CLUB(以下、UFC)」を紹介しよう。

大震災の教訓から生まれた日本版「キャピタル・グロース」

渋谷駅南口から徒歩5分ほど。かつて東急東横線が走っていた渋谷川沿いの線路跡地にオープンした複合施設「渋谷ストリーム」と「渋谷ブリッジ」は、生まれ変わっていく渋谷を象徴するかのような存在である。
畑
その敷地内に「畑」がある、と言われてもピンと来ない人が大半だろう。もちろん、そこにあるのは、誰もがイメージするような畑ではない。見た目は、2.5m四方程度の区画を害獣や害虫避けのフェンスで覆った、大きなプランターといったところ。
畑
これが、UFCが運営する「渋谷リバーストリートファーム」だ。このほか、恵比寿や原宿などでも形態は違うが同様の「畑」を、地域や企業などの協力を得て手掛けているという。
ウノサワ東急ビル
恵比寿駅から徒歩3分ほどの距離にある、ウノサワ東急ビルの屋上にも「畑」がある。写真提供:URBAN FARMERS CLUB
「都市生活者であっても、自分たちが食べる物を自分たちの手で育てることが当たり前になる社会になったらいいよね、というのがUFCのコンセプトです」(NPO法人アーバン・ファーマーズ・クラブ代表理事 小倉 崇さん)。
小倉さん
東日本大震災の影響で、都会のスーパーから食品の姿が消えてしまったことに、深い哀しみと強い不安を覚えたという小倉さん。
2012年のロンドン五輪開催を機に、2012カ所の市民農園を都市部に開設し、現在ではロンドン都市部で年間80t以上の野菜を生産するまでに至った『キャピタル・グロース(Capital Growth)』などの先行事例を参照し、2017年からUFCの活動をスタートさせた。


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