常にその可能性を追求してきたエンジン屋
振り返れば軽量・コンパクトなロータリーエンジンを世界で初めて量産化に成功したのはマツダだった(下の写真のコスモスポーツに搭載)。
また低燃費に有利なミラーサイクルエンジンの量産化に世界で初めて成功したのもマツダ(下の写真のユーノス800に搭載)。同エンジンの技術はその後、デミオ(現在はマツダ2に車名変更)などに搭載されたスカイアクティブGとして受け継がれている。
さらに、最近のマツダ躍進の一翼を担う、ディーゼルエンジンのスカイアクティブDも忘れてはいけない。ディーゼルエンジンはNOxという有害物質が発生しやすいのだが、同エンジンは世界一の低圧縮比で尿素SCRというNOx後処理装置を備えなくても基準をクリアできる技術を確立した。
では今後マツダはどう動くのか。各メーカーが電気自動車に一気に向かう中、マツダはまだまだ内燃機関の可能性を諦めてはいないと思う。さらにエンジン車好きの希望でいえば、少なくとも現在噂されている新しいロータリーエンジンを載せたスポーツカー(下の写真のRX-VISION」)をボクらに見せて欲しい。
突き詰めた者だけが新しい風景を見ることができる。
そうやってエンジン車の未来を開拓していくマツダを、これからも注目していきたい。
籠島康弘=文