世はスニーカーブーム真っ只中。なかでもランニングカテゴリーのスニーカーは、テクノロジーもデザインも、進化が止まらない。
とはいえ、昔ながらのレトロ系モデルの魅力が褪せたかと言えば、そうじゃない。今も現役で履き続けたい名作はいくつもある。そのひとつが、ナイキを代表するモデル「コルテッツ」だ。
発売されたのは1972年。丸みを帯びたコッペパンのようなフォルムは、古き佳きアメリカンスタイルを象徴していてグッとくる。
そういえば、日本でも大ヒットしたトム・ハンクス主演の名画『フォレスト・ガンプ』(1994年公開)ではランニング好きの主人公が愛用してたっけ。恋人からプレゼントされるシーンが印象的だった。
実は、その「コルテッツ」に何やらちょっとした異変が起きている。なんと、昔ながらのナイロンアッパーモデルの生産が一時的にストップしているらしいのだ(2019年5月時点)。
今でこそフルレザーのモデルが発売されているけれど、「コルテッツ」といえば、トウやヒールをスエードに切り替えたナイロンアッパーがオリジン。それを思い浮かべる人は多いはずだ。
ナイキに限らず、メガブランドの定番モデルに、仕様変更やアップデートはつき物なので“廃盤”だなんて断言できないが、“あのコルテッツ”が履けなくなるかも、というのは穏やかではない。
現在流通しているストックが尽きたら入手が難しくなるだなんて、実に寂しいじゃないか。
「いつまでも あると思うな コルテッツ(ナイロンアッパーの)」。
後悔する前に、とりあえず1足買っておきますか?
長谷川茂雄=文