ひとりで勝負すると決めたら人生が動き始めた
当時すでに結婚してふたりの幼い子供を持っていた原さん。家族を抱えた身で、安定的な会社員というポジションを捨てるのは勇気がいることのように思えるが、原さん自身はあっけらかんとこう答える。
「不安がなかったといったら嘘になりますが、人生なんとかなるかなと。最初はめちゃくちゃ貧乏でしたけどね、貯金も全然なかったし。家族が何も言わずに応援してくれたのも大きかったかもしれない」。
会社を辞めて、最初は知人とふたりで会社を始めた。しかしなかなか足並みが揃わなかったという。
「誰かと一緒にやっていると甘えも出るし、決断にも責任が持てない。ひとりでやっていこう。そう腹をくくってから、物事がスムーズに運ぶようになりました」。
ひとりで勝負する。その覚悟を持つことが原さんにとっては大事だったのかもしれない。
独立を果たしてから、会社の事業拡大に至るまで、原さんはどのような道のりを歩んだのか。
【後編】で迫っていこう。
山田裕之=写真 藤野ゆり=取材・文