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看板娘
「お待たせしました〜」
大船生まれの麻友さん(23歳)。昨年9月から働いている。
「最初は短期のつもりで始めたんですが、楽しすぎてやめられなくなっちゃいました」
求人サイトで「横浜 時給1000円以上 短期」と入れて検索したら、一番上にこの店が出てきたという。SEOの重要性を物語る話だ。
メニュー
フードメニューはこちら。
現在は「焼き」の練習をしていて「麻友が焼いたのでいいよ」と言われた場合は、特別に提供しているそうだ。せっかくなので、お任せで焼いてもらう。
看板娘
タブレット端末でオーダーをチェックしながら丁寧に焼き上げる。
濃いトマトサワーの横に焼き鳥とマカロニサラダが並んだ。焼き鳥は左から「にんにくま」(180円)、「せせり」(180円)、「はつ」(150円)。
料理
山盛りのマカロニサラダも280円という安さである。
そして、焼き鳥がめちゃめちゃ美味しい。そう伝えると、看板娘の顔がパッと華やいだ。
「大学生のときはプロントで働いていました。3階まである大きな店舗で、パンのメニューが豊富。朝6時から作り始めて、9時の休憩タイムまでにすべてを作り終えないといけないんですよ。大変でしたが、楽しい思い出しかありません」
東日本地区代表として出場した社内コンテストで決勝まで進んだ。
最近あった楽しいことも聞いてみよう。
「つい先日、従兄弟の結婚式があって親戚が集まったので、翌日にみんなではとバスツアーに行きました。従兄弟の妹がはとバスのガイドで、彼女が案内するバスに乗ったんです」
バスガイド時代
親戚にバスガイドがいるとは……。
コースは浅草、東京タワー、隅田川クルーズ。中でも、浅草の老舗「米久本店」食べた牛鍋が最高だったそうだ。
ここでカウンターの男性客が麻友さんに生ビールをご馳走した。事情を尋ねると「そんなに頻繁には来られないので」。以前は横浜に住んでいて、この店に頻繁に通っていたが、名古屋に転勤になったという。
店内
そう、今日も看板娘に会うために名古屋から来店しているのだ。
そんな幸せな看板娘について店長はこう言う。
「いつも笑顔だし、とにかく育ちがいい。麻友の両親に感謝ですよ。『焼き』を覚えようとする姿勢も高評価。あまり表には出さないけど、たぶん負けず嫌いだと思います」
店内
「今日取材だからカラコン入れたでしょ」「なんでわかったんですか(笑)」
「あ、でも日本酒に弱いみたいで、こないだもお客さんとの付き合いの流れで昼から日本酒を飲みすぎたらしく、ベロベロで出勤してきたんです。『酔ってて仕事ができない』と言いながら号泣していました(笑)」
焼き場
こちらは店長の串さばき。
炭を組むのが相当難しいらしく、麻友さんはまだできない。店長はダクトに近い方は強火、遠くなるにつれて中火、弱火という職人芸を見せる。
「手羽先の先っぽをタレで、根元のほうを塩で焼くのが最近流行っているんですよ」
焼き物
1本で味変を楽しめるというサービス。
とはいえ、麻友さんも本格的な焼き師デビューの日が近い。4月24日(水)である。
出勤表
ちなみに、4月30日(火)の誕生日にもしっかりと出勤。
さて、約5坪の空間で美味しいお酒と料理を堪能したところでお会計。看板娘あるあるとして、直筆メッセージをいただいた。
レシート
5つのツボを同時に刺激されたような喜び。
看板娘の焼き師デビューと誕生日の間、4月27日(土)、28日(日)は街がさらに活気付く「野毛の大道芸」。このお店、土日は12時から営業している。大道芸と焼き鳥のはしごも悪くない。
道路の看板
1986年にスタート、今では日本三大大道芸のひとつとされる。
もちろん、読者にも直筆メッセージを預かっておりますよ。
直筆メッセージ
苦手だったレバーも、この店で初めて美味しいと思ったという。
[取材協力]
炭火焼き鳥 五tsubo(ゴツボ)
住所:神奈川県横浜市中区野毛町1-52 野毛一番街
www.instagram.com/gotsubo393/
石原たきび=取材・文


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