去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
年間60本しか時計を作らないというエンジニア出身の時計師が立ち上げたシグネチャーブランド、ローマン・ゴティエ。その情熱は今年、文字盤に傾けられた。
宇宙の壮大さに思いを馳せる幻想的なマテリアル
希少性の高いオーストラリア産のヘンブリー隕石(メテオライト)を文字盤に使った、スモールセコンド付き3針ウォッチ。宇宙が作り出した鉄とニッケルの合金という性質に合わせ、ケースにはブランドで初めてSSが使われた。
リュウズが格納されたシースルーバックからは、ブラック仕上げの重厚ムーブメントが確認できる。磨き抜かれた直線のない設計は、ブランドの真骨頂だ。
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール
柴田 充、水藤大輔=文