「きれいめ」と同じ意味で「コンサバ」という語を使われることがあるが、マインドまで「コンサバ=保守的」ではいけない。
挑戦が新たな装いの楽しみを教えてくれるから。物作りに妥協なき姿勢を見せる日本の新鋭「きれいめ」たちは、それをかなえてくれる。
道具のように着たい、いわば「日用服」 YAECA ヤエカ いつの時代も暮らしのそばにある道具のような服を目指して、デザイナー服部哲弘さんが2002年に設立。創業当初から上質なメイド・イン・ジャパンにこだわり、流行に関係なく毎日でも着たくなるようなシャツやデニム、チノといった定番服を豊富に提案している。
デニム1万8000円/ヤエカ(ヤエカ アパートメント ストア 03-5708-5586)、ジャケット3万8000円/ユナイテッドアローズ&サンズ 03-5413-5102、Tシャツ1万2000円/コモリ(ワグ インク 03-5791-1501)、スニーカー2万5000円/ニューバランス(ニューバランス ジャパン 0120-85-0997)、メガネ4万円/アイヴァン(アイヴァン PR 03-6450-5300) ’50年代から使われるシャトル機で織られたオリジナルのセルビッジデニムは現在6シルエットを展開。ワンウォッシュのワイドテーパードモデルは、カジュアルな中に大人の品も。
素材とデザイン。不可分な関係に着目 ATON エイトン 原材料から仕上がりまでを「デザイン」と捉えて一貫した生産を心がける新興ブランド。始めと終わりを示す「あ」と「ん」=A to Nがその名の由来だ。素材を徹底的に追求して、その特質を活かした服に落とし込む姿勢は、随所にヒネリのあるディテールからも感じられる。
パンツ2万9000円/エイトン(エイトン 青山 03-6427-6335)、スウェット2万6000円/アクネ ストゥディオズ(アクネ ストゥディオズ アオヤマ 03-6418-9923)、ソックス2800円[3セット]/ユニバーサルプロダクツ(1LDK 03-3780-1645)、スニーカー5500円/ヴァンズ(ジョイントワークス 新宿店 03-5363-7572)、サングラス2万9000円/サイ スペックス(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326) ハリのある高密度素材で仕立てたスラックス。ボックスプリーツ状のタックを施し、絶妙なテーパードシルエットを形成した旬な1本。
世界にはばたく日本の「マジメな物作り」 AURALEE オーラリー 世界中から厳選した原料を用いて糸から生地を開発し、時代の気分を表現した洗練デザインに。プロの評価も高く、第2回「ファッション プライズ オブ トウキョウ」を受賞しパリコレクションにも参戦。デザイナーの岩井良太さんの実直な探究心が服にもよく表れている。
コート7万8000円/オーラリー 03-6427-7141、パーカ1万4000円/ザ・コンビニ 0120-298-133、パンツ2万7000円/マザー(RHC ロンハーマン 045-319-6700)、ソックス2万円/ビズビム(F.I.L. TOKYO 03-5725-9568)、サンダル1万7000円/ビルケンシュトック(ヤエカ ホーム ストア 03-6277-1371) 繊維の長いフィンクスコットンを限界まで高密度に織り上げたチェック柄生地に超撥水加工を施し、悪天候下でも使える仕様に。広いアームホールと肘にダーツを取ったゆったりシルエットも真骨頂。
持続可能な素材を日本の技術で縫製 MARKAWARE マーカウェア デザイナーの石川俊介さんが2009年、自身のブランドを再編成してスタート。サステイナビリティを重んじ、新時代のメンズクロージングを提案する。原料はオーガニックの天然繊維を中心に、古くから高い技術を持つ日本の工場で、完成度の高いガーメント製造が支持される。
ジャケット6万8000円、パンツ3万8000円/ともにマーカウェア(パーキング 03-6412-8217)、Tシャツ8000円/ワコマリア(パラダイス トウキョウ 03-5708-5277) 渋みある大人にこそ似合うダークブラウンのセットアップ。この生地に使用されるのは、アルゼンチンはパタゴニア地方の大自然のなかで自由に暮らす羊のオーガニックウール。高い強度、抗菌力、通気性を持つ天然の機能素材を強撚で仕上げたドライな肌触りで、着用時に清涼感をもたらしてくれる。
長く、受け継がれていく、特別な服 PHLANNÈL フランネル ライフスタイルを彩るショップ、ブルーム&ブランチから発信されるベーシックウェアのコレクション。日本の繊細な美意識と確かな技術を重視し、「美しい服、受け継がれる服」を追求。素材の上質感、確かな縫製、独特のシルエットにそのすべてが集約されている。
パンツ2万6000円/フランネル(ブルーム&ブランチ青山 03-6892-2014)、ニット2万9000円/サンスペル(サンスペル 表参道店 03-3406-7377)、ソックス2800円[3足セット]/ユニバーサルプロダクツ(1LDK 03-3780-1645)、スニーカー9990円/アディダス オリジナルス(アディダスグループ 0570-033-033) 国内工場で丹念に織り上げた、肉感のある2重織りコットンツイルを、モダンな2タックの太めシルエットに仕上げた。肌触りは柔らかく弾力性があり、一度はくと病みつきに。
現代に必要な都市生活服とは? GRAPHPAPER グラフペーパー 多方面で活躍するディレクター、南貴之さんが手掛けるキュレーション型ショップ、グラフペーパーのオリジナルウェア。都市生活に必要な機能とデザインを備えつつ、サイズの概念を極力取り払った独自の方法論でウェアを構築。ゆったりシルエットはオーシャンズ的にも大歓迎。
ジャケット6万8000円、パンツ3万2000円/ともにグラフペーパー 03-6418-9402、ニット1万6000円/バトナー(ユナイテッドアローズ 原宿本店 03-3479-8180)、スニーカー5800円/コンバース 0120-819-217 春夏素材の代表格であるシアサッカー生地にドライタッチのウールを採用したセットアップ。トレンドでもあるリラックス感満点のボックス型シルエットジャケットと、ウエストにエラスティックを配したテーパードスラックスは、ストレスフリーなはき心地を与えてくれる。
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 髙村将司=文