春と言えば花見、花見と言えば酒。今年の春はちょっとこだわった「花見酒」を楽しんでみよう。酒の種類、桜を見る場所、そして花見酒にまつわる粋な小話……楽しみ方は無限大。サクラサク、花見酒。
美味い花見酒を飲むには、花と“団子”が不可欠だ。デパ地下やお気に入りの店で惣菜を買っていくのも手軽でいいが、ものぐさなオッサンでも正味10分の手間暇で作れる“花見弁当”があればどうか。
「どんな料理よりも自分で作るものが一番ウマい!」と話す、
「がじゅま〜る」店主の上諸真佐夫(かみもろ・まさお)シェフに、料理下手なオッサンが作っても味がキマる花見弁当の時短レシピを聞いた。こ、これはウマそうだ……!
【1】ビールやハイボールに合う! 冷めてもウマい楽チンつまみ「ゼッポリーネ」
「ゼッポリーネは、イタリアのナポリで愛されているおつまみです。一般的には砂糖やベーキングパウダーを使いますが、今回、準備したのはそれらが最初から入ったホットケーキミックス。そこに材料を全部混ぜればいいだけの超簡単レシピです。ポイントは春らしい『桜えび』ですね。間違いなくビールやハイボールに合いますよ」。
【材料】
ホットケーキミックス 100gオリーブオイル 小さじ2
粉チーズ 大さじ1木綿豆腐 1/4丁
桜えび 10g(最後の味付け用)
塩 青のり【準備する道具】 ジップロック 1枚 【作り方】
◆1
ホットケーキミックス100gにオリーブオイル小さじ2、粉チーズ大さじ1をジップロックに入れて封を閉じ、揉み込みながらなじませる。
◆2
なじんだら木綿豆腐、桜えびの順で足す。木綿豆腐の水分を利用したいので水切りする必要はなし。桜えびも刻んだりする必要はない。
◆3
170℃の油を用意する。ジップロックの先をはさみで切り落とし、混ぜ合わせたタネをスプーンですくいながら、油に落としていくだけ。大きすぎると火が通りにくいので、100円玉の大きさを意識して。
ひっくり返して両面を揚げること約1分。両面がうっすら茶色く色づいたら油から取り出す。粉チーズが入っているため焦げやすいので要注意。
◆4
揚げたてをボウルに入れて、塩や青のりをまぶして混ぜれば出来上がり! 揚げたてはさっくさくでもちろん美味しいが、ゼッポリーネは冷めてもウマいから花見にぴったり!
【2】白ワインやシャンパンで乾杯! できる料理人風「ローストポーク」
「2品目は『ローストポーク』です。ハードルが高いと思うかもしれませんが、調理時間は10分程度。肉をがっつり食べたい人にはオススメで、本当に簡単です。味的にもビジュアル的にも、初心者が作ったと思えないくらいの仕上がりになるでしょう。ソースにりんごジャムを使ってるので、白ワインやシャンパンがいいですね!」。
【材料】 豚ブロック(肩ロース) 500gクレイジーソルト 大さじ1しょうが 1かけにんにく 1かけ(ソース) 水 100cc りんごジャム 大さじ2 しょうゆ 大さじ2 にんにく 1かけ【準備する道具】 すりおろし器 ビニール袋 2枚 【作り方】
◆1
まずは鍋いっぱいの水に火をかける。そして常温に戻した豚のブロック肉(肩ロース)にクレイジーソルトとすりおろしたにんにく、しょうがを揉み込んでいく。はい、下準備はこれで終わり! ちなみに「クレイジーソルト」は数種類のハーブが入っているので便利だが、ない場合は普通の塩でよし。
◆2
次はフライパンで焼いていく。油は大さじ2杯。強火で一気に焼き、うまみを封じ込める。
◆3
準備しておいたビニール袋(ジップロックも可)に、焼いたばかりの肉を入れる。ビニール袋は2重にし、中の空気をできるだけ抜いた状態にする。
◆4
初めに火にかけたお湯が沸騰したら火を止める。鍋の中にビニール袋に入れた肉を放り入れ、ふたをする。あとはこのままお湯が完全に冷めきるまで放置。目安はだいたい2時間。冷めきった肉は袋ごと冷蔵庫で一晩寝かせる。
◆5
最後はソース作り。材料は、水、りんごジャム、しょうゆとにんにくだけ。これを一緒にフライパンで煮詰める。りんごジャムがベストだが、ブルーベリージャムでも代用可能。
◆6
冷蔵庫で一晩寝かせた肉を取り出し、常温に戻す。それから包丁で一枚一枚、切っていく。
ここにソースを格好良くかければ完成! ソースをつくる時間がない人は、りんごジャムをつけるだけでも立派な一品になるそうだ。
上諸さんが考案してくれた、誰でも簡単に作れる花見弁当レシピ。本当に楽チン&ウマいので、さっそく実践してみよう。花見酒がグンと美味しくなるぞ!
がじゅま〜る店主・上諸真佐夫 (ナチュラルフードコーディネイター)
元古着バイヤーという異色の経歴を持つ料理人。自然栽培野菜・古着・アンティーク・植物・ ボストンテリアをこよなく愛する。素材の味を活かしたオーガニック弁当や、 植物を使用したボタニカルなケータリングはモデルから女優、 アスリートなどから絶大な人気を得ている。
ぎぎまき=取材・文