看板娘という名の愉悦 Vol.57
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
日が高いうちから飲むお酒は、また格別である。今回は半蔵門でそんな僥倖に恵まれた。
半蔵門とは江戸城の門のひとつで、これがそのまま地下鉄の駅名になっている。TOKYO FMの本社および放送スタジオがあることでも有名だ。
目指す店、「ラハイナ」は半蔵門駅を出てすぐ。この辺りは超都心にも関わらず、地元に根ざした蕎麦屋などを含め、気になる個人商店が散見されるエリアだ。
どうやら、パスタが売りのカフェのようだ。
通りに面した大きなガラス窓越しに店内を覗くと、看板娘が働いていた。
テラス席に座って、さっそくオススメのお酒を尋ねる。
当連載はインスタ映えを目指しているわけではない。彼女に「お酒はよく飲みますか?」と聞くと「大好きです」。おお、重ねて好きなお酒を尋ねると「スコッチのバランタインです」。それですよ。
「いつも、ロックで飲みます」というので、彼女の流儀に準じることにした。
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