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「ロボットなめんな」ペッパー開発で生まれた恐怖

とはいえソフトバンクを退社した当初は、ロボット事業でスタートアップをしようとは全く考えていなかったという。
林要
「リスクの取り方って色々あると思うけど、最初はロボットで起業するとは思っていませんでした。ロボットに関してはもう、怖かったんですよね。あれだけのコストをかけても孫さんの理想とするものになかなか近づけられなかった。会社を辞めた後、いろんな方にロボットやれば? と言われたんですけど、心底『ロボットなめんな』と思いました」。
取材中、穏やかなトーンで語り続けていた林さんの口から、初めて激しい言葉が紡がれた瞬間だった。ペッパープロジェクトに従事した林さんのさまざまな想いが、その一言に詰まっているようだった。
「でも、あんまりみんなに言われるんで、じゃあちょっと考えてみるかで考えだしたら止まらなくなってしまって(笑)。すると意外にいいアイディアが降ってきました。しかし、自分は半信半疑。そこで周りに相談してみると評判が良い。それでアイディアを詰めていくうちに、どんどんその気になっていました」。
突き詰めたがゆえに限界が見えた気がしたロボット事業。しかしそのなかでもう一度、挑戦しようと思えたのは、その根底に『使命感』があったからだった。
「自分が拒否しても、周囲の人が、自分のアイディアが導いてくれるのなら、それはもう使命なのかもしれないと。そういう星のもとなのかな、なんて勝手に思いこむことで、次のステップに踏み込むことへの恐怖心が減る気がしたんです」。


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