看板娘という名の愉悦 Vol.50
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
都内でも今ひとつ位置関係がわからないのが板橋区。しかし、同区民からは「板橋って意外と都心なんですよ」というセリフをことあるごとに聞く。
今回訪れた下板橋駅も巨大ターミナル・池袋駅から東武東上線でたった2駅。なるほど、ほぼ池袋と言っても差し支えない。
駅付近には「電車の見える公園」というものがあるが、電車ビューならすぐそばの跨線橋の方がオススメだ。
目指す居酒屋、「兎まい門(うまいもん)」は駅から徒歩1分。2009年にオープンしている。
店内を覗くと看板娘が働いていた。
新潟県柏崎市出身だと聞いて「越乃寒梅」(1合1000円)を注文。新潟市の南東部に蔵を構える石本酒造が明治40年に売り始めた老舗銘柄だ。
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