今回の看板娘は、大正大学表現学部で広告関係の勉強をしている21歳の望来(みく)さん。3年生なので、そろそろ就職活動に本腰を入れる時期だ。
この店では大学入学直後から働いている。
「入学式が終わった後に、たまたま両親と入ったんです。理由ですか? 兎のマークがかわいかったから」
柏崎では祖父が「栄寿し」という寿司とラーメンの店を営んでいた。地元では人気の店で、高校生の望来さんも時々手伝っていたそうだ。
「口数が少ない職人気質の人で、お正月とかに私の家に遊びに来たときは焼酎のお湯割に梅干しを入れて黙って飲んでいました。でも、そんなお祖父ちゃんが去年の秋に80歳で亡くなって。悲しいけど、私と妹の成人式を見てもらえたのはよかったです」
なお、ここ「兎まい門」の看板メニューは何といってもささ身の串焼きだ。
さっそく、生ビールとともに注文。
これがびっくりするほど絶品だった。ささ身はどちらかというと苦手なのだが、絶妙な焼き加減で、レバ刺しのような食感である。
串を焼くのはオーナーの三浦佑介さん(35歳)。美味しさの秘訣を聞くと、「特別なことは何もしていないんですが」と悟りを開いた禅僧のような回答が返ってきた。
3/3