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伝統の“店味”をご自宅で。「エクセレントブレンド」

そんな丸福珈琲店のレジ横ブレンド豆は、一体どんなラインナップなのか。トップバッターは、丸福珈琲店の伝統を体現する「エクセレントブレンド」だ。
「看板メニューの『丸福ブレンド』を、ご自宅でも楽しめるようにした豆です。丸福珈琲店では抽出器具も独自のものを使っており、これまではご自宅で“店味”を再現するのは困難でした。ですが、時代とともに輸入できる豆も増え、品質も上がってきた。それらを絶妙にブレンドし、限りなく店味に近づけました」。
その味わいは深くてハード。だけど、決して渋くなるような苦味ではない。
「酸味、雑味が少ない、後味がスッキリしている。それが丸福ブレンドの特徴です。濃淡をつけたことによる奥深さや、芳醇な香りも楽しめます」。
丸福珈琲店のメニューを開けば、そこに書かれているコーヒーは基本的に「丸福ブレンド」のみ。彼らは85年間、これ1本で勝負し、そして愛されてきたのだ。歴史と伝統の一杯を、ぜひ堪能してみてほしい。
 
85年前に舞い戻る「昭和9年ブレンド」

お次は「昭和9年ブレンド」。こちらはいわば、時を超えた一杯とも言うべきブレンドだ。
「創業から長い年月を経て、私たちのブレンドもベースは同じですが、時代に合わせて少しずつ変化してきました。そんなあるとき、創業年である昭和9年の味はどんなものだろう? と原点に立ち返って生まれたのが、このブレンドです」。
ちなみに、創業者きっての方針で、昭和9年ブレンドはペーパーフィルター向けの中細挽きの状態で販売している。さて、そのお味のほどは?
「現代のリッチさのある丸福ブレンドよりも、荒削りだけどダイナミックでパンチの効いた味わいです。昭和9年でも入手可能だった限られた豆をブレンドしているため、当時の時代を少しだけ覗き見ることができますよ」。
 
品評会を勝ち抜いた農園の豆も。
こだわりのシングルビーンズ「ブラジルショコラ」「ケニアマサイ」

さらに丸福珈琲店では、限られた地域からのみ仕入れた「シングルビーンズ」シリーズも展開している。荒川さんのおすすめは2種類。

「1つ目は『ブラジルショコラ』。丸福らしい濃厚な風味に、チョコレートのような甘さと香りを兼ね備えた豆です。厳選したブラジルの20農園を指定し、重厚感と甘いカラメルのような香りのある豆だけを収穫しています。指定農園のなかには、COE2017というブラジル国内の品評会で優勝した農園もあります」。
深さとまろやかさの同居した一杯は、コーヒー通の女性にも好まれるという。休日の午後、夫婦で飲むのに打ってつけだ。

「2つ目の『ケニアマサイ』は、ブラジルショコラとは反対に、深いコクを楽しめる男気のある豆です。それでいてアフターテイストに嫌味はなく、スッと引いていきます。書斎での書き物や読み物、あるいはハードな映画を視聴するときのお供におすすめですよ」。
ちなみに、こうしたシングルビーンズの豆も、ブレンドと同じ焙煎技術を駆使してハーモニーをつくっている。たとえ1種類の豆でも、焙煎を重ねて濃淡をつけるのが丸福流だ。


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