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OCEANS Fashion X Talk
大学生のときに初めて買った車は、サーフィンに行くために選んだトヨタのカリーナバン。以降ワゴンやSUV(当時はクロカンと呼ばれていた)が中心で、一度はボルボの240セダンを乗っていたこともある。
「キレイな水色のボルボでね。今もちょっと乗りたいなぁと思うことがあるぐらい気に入ってました」。
そんなお気に入りのボルボから乗り換えたのが、今のヴァナゴンだ。
「子供の頃はボーイスカウトもやっていたくらいですから、もともとキャンプをするのは好きでした。特にキャンプを意識するようになったのは、9歳になる娘を一度キャンプに連れて行ったとき。あんなに笑顔になった彼女をこれまで見たことがないくらい、とても喜んでくれたんです」。
娘と一緒にまたキャンプに行きたいな。そんな思いが頭の片隅にあったとき、具体的な絵となって降りてきたのが、サンフランシスコで見かけたあの写真集の表紙だったというわけだ。
以来、年に数回は家族とヴァナゴンに乗って出かけているという。「ヴァナゴンになってから旅に出ることが多くなりましたね。乗り心地が格段にいいというわけでもないし、速くもない。運転感覚もまるでバスみたいです。でもね、それが楽しいんですよ(笑)」。
楽しんでいるのは阿久戸さんだけではない。娘さんはお気に入りの席ができた。運転する阿久戸さんのすぐ後ろで、いつもリラックスしているという。それを笑顔で話す阿久戸さんを見ていると、まるで彼女の鼻歌まで聞こえてきそうだ。
2頭の愛犬たちも喜んでいる(はず)。「今までは家族で出かけても犬と一緒に泊まれるホテルがあまりなかったから、いつもお留守番をしてもらっていました。けれどヴァナゴンなら車中泊ができるから、彼らとも一緒に旅ができるんですよ」。
例えば今年は家族と愛犬を乗せて東京から北海道までクルマ旅に出かけた。青森まで走ってフェリーで函館に渡り、知床やニセコなど、きらめく星の下で車中泊をし、再び本州に戻ると奥入瀬渓谷でまた車中泊。自然をたっぷりと浴びる旅となった。
一方で、つい先日は日帰りで愛犬を乗せて箱根へも出かけたという。「向こうで妻が運転するジムニーと会う段取りをしておいて、一緒に食事をして、日帰り温泉に入ったりロープウェイに乗ったり」。
遠出もすれば、まるで散歩のように気軽に出かけることもある。「ヴァナゴンがウチに来てからというもの、1日の濃度が濃くなったように感じますね」。
阿久戸さんのヴァナゴンは、ウェストファリア社がキャンパー仕様にカスタムしたモデル。ルーフにポップアップテントがあり、ここで寝ることができ、車内に簡易なキッチンが備わり、助手席側にはタープが収められているなど、キャンパーに人気のモデルだ。
足元は購入後にリフトアップして厚みのあるタイヤに交換。サーフボードをルーフに載せるために運転席側の後ろに梯子を備えた。さらにキャンプに必要なテーブルや二つのベンチを載せるためバックには自転車キャリアを代用して備えている。
ランタンとクーラーボックスを常時備え「いつでも旅に出かけられる」準備は万端。
「最新の車と比べたら燃費は悪いし、一度エンジンは壊れたし(笑)。まあこれからもいろいろあると思うけれど、ずっと乗っていると思います」。
何しろ、理想のライフスタイルが絵となって「降りてきた」車なのだから。
家族や愛犬とともにキャンプを楽しみたいなら、ヴァナゴンみたいなキャンピングカーってアリじゃないか。
さて、阿久戸さんに同じくカーライフを満喫している人を尋ねると、ロンハーマンのPR担当、福本さんを紹介してもらった。愛車はトヨタのランドクルーザー60だ。果たしてどんな出合いが福本さんとの間にあったのか!? そのお話は、また次回に。
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