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“仕立て”の良さに惚れ込んで
「ジャガー・ルクルト」のレベルソ

ブランドの不動の定番であり続ける角形時計。その代名詞となる反転するケースは、ポロ競技中に盤面を守るために考えられた機構。時代を超えて、革新性を現代に伝えるものだ。
エストネーション シニアセールススペシャリスト
深澤由智さん Age 41 が語る ツナガリ
深澤さんとジャガー・ルクルト「レベルソ」の馴れ初めは、かれこれ10年以上前にまで遡る。「当時の僕は、20代後半。それでもテーラーに勤めていたせいか、いい時計を着けているお客さまが大勢いらっしゃって。紳士としてのエレガンスを知る、大人の男性です。そんな影響から自然と上品な機械式時計に憧れていきました」。
購入候補に挙がったのは、レベルソとマスタ ・ジオグラフィーク。いずれもスイスの老舗ジャガー・ルクルトらしいクラシカルな名品である。「迷いに迷って、レベルソを選びました。決め手は、他に類を見ないストーリー性。ケースを反転させるという独創的な機構が、ポロ競技中の衝撃から時計を守るためだなんて。斬新な発想にも驚かされますし、それが今なお新しく映る。ポロ競技という出自も実に優雅で知的に感じました」。
上品なルックスに潜むスポーティな背景、ユニークな機構。そんな“仕立て”のいい時計こそが、深澤さんの心を動かす1本となったのだ。

深澤由智さん
PROFILE●1977年東京都生まれ。エストネーション 六本木ヒルズ店の名物スタッフ。休日は趣味の料理とキックボクシングに没頭。本格機械式時計だけでなく、気軽なカジュアル時計にも明るい。
 

好きだから通じ合う、男の勲章
左●「ロレックス」のシードゥエラー ディープシー
右●「ロレックス」のコスモグラフ デイトナ

“キング・オブ・クロノグラフ”と称されるデイトナは、ヴィンテージ市場でも高額で取引される超人気銘柄。一方、シードゥエラー ディープシーは1220mという圧倒的な防水性能を誇るダイバーズ。
ファーストオーダー クリエイティブディレクター
岡田考功さん Age 39 が語る ツナガリ
「この2本のロレックスには、いずれも尊敬できる大先輩との思い出がたくさん詰まっています」。25歳、シードゥエラー ディープシーは当時可愛がってくれた社長から譲り受けた。「大きな男には大きな時計が似合う」と、背中を押された。
岡田さんは今、多方面でクリエイティブディレクターとして活躍する。そして、仕事上のさらなる出会いが憧れのデイトナとの距離を縮めた。「ある経営者の方と食事中、時計の話になって。後日ご自宅に招かれたんです。そしてデイトナの、圧巻のコレクションを拝見。そこで、以前から購入を悩んでいたことを打ち明けたんです」。
次にその経営者と会ったとき、岡田さんの腕にはデイトナがあった。「誰もが憧れる時計の価値は下がらない。そして結局、キミは買う。だったら、今買うべきだよ」という言葉に心が動いたのだ。「彼は自分のことのように喜んでくれました」。時計は単なる嗜好品ではない。男が男に、男として認められる舞台装置にもなりうるのだ。

岡田考功さん
PROFILE●1978年埼玉県生まれ。スポーツや芸能、ファッション関係に精通し、メディアや広告などでクリエイティブな才能を発揮。本誌の女性連載「君のいる部屋」のプロデュースも担当する。
 

不変の美しさが馴染んでいく
「カルティエ」のアンティークウォッチ

通称“マストタンク”として親しまれるマスト ドゥ カルティエは、1973年に登場したシリーズ。現在は生産が中止されるものの、男女を問わず根強いファンの多いアンティークウォッチである。
スタイリスト
梶 雄太さん Age 44 が語る ツナガリ
服を媒介として、着る人の個性を表面化させる。そんな職業柄か、スタイリストの梶さんにとって自身の時計選びは簡単なものではなかった。「時計は雄弁に持ち主を語るもの。だからこそ、自分にとって名刺代わりとなる時計は何かと悩み、長らく答えが出せないままでいたんです」。今、彼の腕元にはカルティエが光っている。
「昨年の11月に結婚したんですが、妻との共通の知り合いから結婚祝いにと、このマスト ドゥ カルティエをいただいたんです。実はそのタイムレスなデザインが以前から気になっていた時計で」。目まぐるしく移ろうファッションの世界に身を置くからこそ、不変のモノへの愛着が高まる。そんな梶さんの目に留まったのが、長い歴史の中で育まれたレクタンギュラーウォッチの美しさだ。
「使い込むうちに味わい深くなってきたアリゲーターストラップの風合いも気に入っています」。まるでしなやかに円熟していく夫婦の絆のように、この時計はゆっくり時を刻むのだろう。

梶 雄太さん
PROFILE●1974年東京都生まれ。メゾンからストリートブランドまで守備範囲の広いスタイリングで、多くのメディアで活躍。フォトグラファーやクリエイティブディレクタートしてもマルチな才能を発揮。
 
鈴木泰之、恩田拓治、小林孝至、蜂谷哲実、高橋絵里奈=写真 柴田 充、髙村将司、中村英俊、戸叶庸之=文、菊地 亮=取材


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