落ち着きが感じられる定番色のコートだが、ときとして重々しくなるきらいも。
そこで、カラーコートのお出ましとなるのだが、何でトライすべきか……
おすすめはダッフル。定型化した男服だから、冒険を受け止めるだけの懐の深さがあるのだ。
「アミ アレクサンドル マテュッシ」
ウールにナイロンを混紡して軽く仕立てたフエルト素材を採用。美しいオレンジの発色が眩しい。ハーフライニングを備え、防寒性も申し分なし。モード服らしく随所にデザインを利かせている。
着こなしのコツはとにかくインナー&ボトムスはベーシックカラーで!
着こなしのなかで、とりわけ表面積が大きくなるコートだから、鮮やかな色の場合、着ただけで存在感が出ることは間違いない。そこを踏まえ、ほかのアイテムは思いっきり控えめなものでまとめたい。くれぐれも孔雀みたいに色とりどりにならないように。
さらに言えば、インナーもしくはボトムスに黒を投入して、鮮やかな色を引き締める効果を期待したい。少し上級になるが、写真のようなデザインされたボトムスを、色の「遊び」に呼応させても面白い。無難な5ポケットパンツの合わせより格段に洒落て見える。
「グローバーオール」
ダッフル界の王様ブランドといっても過言ではない英国ブランドの名作「モンティ」が、優しげなサックスに。第二次大戦中モンゴメリー元帥が着用したとされる骨太な出自と裏腹なミックス感が刺さる。
「インバーティア」
創業100年を超える英国老舗の作で、生産中止していたモデルを2013年に復刻。こちらはシルエットをリファインしたビームス別注。英国が誇る生地メーカーの極上ウールで仕上げている。
清水健吾、高橋絵里奈=写真(ともに静物) 星 光彦=スタイリング 髙村将司、いくら直幸=文 長谷川茂雄=編集