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2人のチューダーとの出会い、惹かれるワケ

吉原 次に手に入れたのが、’78年に発表されたポルシェデザインの真っ黒な「コンパスウォッチ」で、これもどういうわけか自分のところに舞い込んできて。そうこうするうちに’90年代に入って、スウォッチとかGショックとかが流行り始めて、その辺もひと通りハマりましたね。昨日、家でこのチューダーの箱を探していたら、スウォッチが20本くらい出てきましたよ(笑)。
それで出てきたのがこちらの箱。ペーパー製の外箱もギャランティも残っている。
こちらがギャランティ。香港のショップで購入したことがわかる。
尾崎 ちゃんと取っておいているのがすごい(笑)。
吉原 僕は時計の中身のことはまったくわからないから、選択の理由は単純に「格好いい!」という直感だけ。だから、複雑な機械のゼンマイ式が欲しいとか、そういうのもまったくないんです。
尾崎 そういう意味でチューダーはぴったりのブランドだったわけですね。
吉原 しかも’80年代にはチューダーはまだそんなに高くなかったし。当時でもロレックスの「デイトナ」はウン十万円はしていたと思うので手が出なかった。それでも、このクロノタイムをしてショップに立っていると「いい時計していますね」とお客様から声をかけられていましたよ。尾崎さんは何本チューダーを持っているの?
尾崎 3本です。小ぶりなものばかりで、クラシックな顔のものが多いですね。
尾崎さんが持つ10数本の腕時計のうち、3本がヴィンテージのチューダー。かなりのチューダーラバーぶり。いずれも小ぶりなサイズ感。
吉原 すべてヴィンテージで買ったんですか?
尾崎 はい、’80年代は子供だったんで(笑)。最初の1本は今日着けているもので、22歳のときに買いました。’40年代のものらしいです。ちょうどショップのバイヤーになった頃にニューヨーク出張があって。アメリカにはずっと憧れていたので、初渡米にいい時計をしていきたいと思ったんですよね。で、いちばん気に入ったこれを選んだんです。
ジャケットスタイルの尾崎さんによく似合う1940年代のチューダー。クラシックで小ぶりなフェイスが印象的。
吉原 憧れのアメリカで買うんじゃなくて?
尾崎 はい、アメリカに着けて行くために日本で買いました(笑)。気合いを入れるためというか。そういう理由がないと、なかなか時計も買えないような年齢だったので。
吉原 わかる、わかる。
尾崎 でも、チューダーといえば本当は通称“デカバラ”に憧れていたんですよ。
1950〜’60年代の一時期生産された、通称“デカバラ”。12時位置のインデックスに置かれた大きなバラが目を引く。尾崎さんは9年前に購入した。
吉原 文字盤の12時位置に大きなバラのインデックスが付いている、これね。
尾崎 ’50年代から’60年代の一時期に作られたもので、僕が興味を持ち始めた当時はそんなに高くない印象だったんですけど、なかなか買うきっかけがなくて。でも9年前、久しぶりにデカバラを見つけたらいつの間にか高くなっていて焦りました(笑)。それで、まだリーズナブルに置いていたショップを見つけて手に入れました。
吉原 このデカバラ、いいよね。オーセンティックで。小ぶりなサイズ感がまたいい。
尾崎 あと、これは2年くらい前に買った「サブマリーナー」のミニサイズ、“ミニ・サブ”です。僕、時計は小さいサイズが好きなので、前からミニ・サブは気になっていたんです。それでこれを見つけたんですが、そのショップにはネイビーダイヤル✕シルバーのモデルと、これがあって。最初はネイビーにしようと思っていたんですけど、すごく悩んだ末に、なぜか変なほうを選んでしまったという(笑)。
「サブマリーナー」のミニサイズ、“ミニ・サブ”。金とステンレスとのコンビが非常に珍しい1本。
吉原 いや、すごくいいですよ! ミニ・サブもずいぶん流行ったけど、初めて見ました、こういうステンレスとゴールドのコンビブレスは。
尾崎 このほうがなかなか出ないだろうなと思って。今ではいい選択だったなと納得しています。


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