当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事は
こちらから。
アップルは10月26日、2018年モデルとなるiPhoneの第3弾「iPhone XR(テンアール)」を発売する。筆者はiPhone XRのブラックの貸出を事前に受けたので、実機レビューをお届けする。
2018年のテーマは、昨年のiPhone Xで示した次世代のコンセプトを全モデルに広げることだった。しかしiPhone XSは昨年と同様に999ドルから、日本では10万円を超える価格からの販売となっており、大画面モデルのiPhone XS Maxはさらに高い1099ドルからという価格が設定された。
これでは、iPhone Xのコンセプトは限られた人々、つまりスマートフォンに11万円以上を捻出したいと思っている人にしか広まらない。そこで用意されたのがiPhone XRだ。
iPhone XRは米国での価格は64GBモデルで749ドル。日本でのApple StoreにおけるSIMフリーモデルの価格は64GBが8万4800円、128GBが9万800円、256GBが10万1800円に設定され、主力となるであろう128GBモデルも10万円を切る価格となった。
優先した「体験の共通化」
iPhone XRは、iPhone Xと同様のホームボタンがないオールスクリーンを採用し、画面の中で完結する新しい操作方法に統一した。
また3D顔認証Face IDを実現するTrueDepthカメラを採用し、画面を見つめるだけでロック解除できる高いセキュリティ性能も実現している。
もちろんクラシカルな操作方法を好む人には、いまだ十分高い性能を発揮するA11 Bionicチップを備えるiPhone 8が併売されているし、過去のデバイスも共存している。
アップルとしては、iPadも含め、ホームボタンを捨てる決断を下し、画面の中のジェスチャーだけで操作を完結させるインターフェースへの移行を決定的とした。
その一方で、コストダウンを行わなければ、その新しいインターフェースのスタンダード普及が遅れてしまうのだ。そのため、コストという制限の中での洗練に見られる工夫が随所に現れている。
2/3