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たとえば、目的地に行くために「時間」が重要なら、飛行機や新幹線で、「自由な選択」が重要なら車で、といった具合に、手段を選ぶ際の指針になります。大切なことは、人それぞれ違います。常に変容する自分自身の価値基準を明確にしましょう。
新たな指標を立てる(目的地を定める)
自分の人生の肯定に必要なのは、「自分で選択した」という意識があることです。「やらざるをえなかった」のと「積極的に取り組む」ことはモチベーションに大きな差が出ます。
ですから、「やりたかったこと」「やり遂げていないこと」に加え、「楽しい」「心地よい」などの要素も取り入れることが重要です。
より豊かな人生を過ごすにあたって、気持ちのうえでプラス要素を組み入れることは何よりも大切です。がむしゃらに突き進んできた前半戦とは違う「ゆとり」を取り込んでください。
行きたいと思う目的地を定めることで、気持ちが前向きになります。

目の前の小さな幸せを実感する

「このままでいいのか」といった漠然とした不安や焦りを放置すると、さらに大きなマイナス感情につながります。現状をしっかりと受け止め、価値観を再構築することで、「現在地」と「手段」が把握できるのです。
いくら目的地であるゴールを思い描いても自分の現在地がわからなければどうしようもありません。常に、自分の現状を把握し、心の声を聞き、楽しいことを取り入れ、嫌なことは少しずつ排除していくという日々の積み重ねが、ミドルエイジクライシスによって極端な衝動に駆られることを防ぎます。
もちろん、人生設計を思い切って変えることを否定するわけではありません。しかし、それが一時的な感情に振り回されたものであれば、たった一度の人生を台なしにしてしまう恐れもあります。
大きな夢は素敵ですが、目の前の小さな幸せを実感できることも大切です。人生100年時代、皆さんが人生の転機をうまく利用していただけることを願っています。
 
大野 萌子:日本メンタルアップ支援機構 代表理事
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記事提供:東洋経済ONLINE


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