ベル&ロスとロンジン。ともに言わずと知れた名門腕時計ブランドだが、その新作には、思わずダイヤルを凝視してしまう“仕掛け”が込められている。なんでも、ベル&ロスはスカルが笑って、ロンジンは時間を戻す?
謎掛けのようなクリエイティブの真相を見ていこう。
ベル&ロス「笑うスカルが腕に来たる」
なんとこのスカル、笑うのだ。角形時計「BRシリーズ」でお馴染みのベル&ロスの最新作は、「ラッフィング スカル(笑う骸骨)」と名付けられたオートマタ=からくり時計。リュウズでゼンマイを巻き上げることで、スカルの下顎が上下に動く仕掛けだ。
パイロットが武運を祈るお守りとして好まれたスカルは、同社も愛するモチーフ。なかでもからくり式のムーブメントを積んだ本モデルは、最高傑作のひとつである。お守り効果に加えてこの笑顔、そして巻き上げも楽しくなるというんだから、かなりの「福来たる」スカルである。世界限定500本。
ロンジン「“時を戻す”という逆説的アプローチ」
さすが復刻時計を得意とするロンジン。本作「ロンジン ヘリテージミリタリー」では、英国空軍パイロット、スタンレー・ターナー氏がかつて実際に着用したパイロットウォッチを、細部にいたるまで忠実に再現。
クリーム色に変色した線路型目盛りのダイヤルや、洋ナシ型の針はもちろん、経年変化によるシミまでをオリジナルさながらに職人が手作業で着色。それでいて、グループ企業のETA社がエクスクルーシブで仕上げたキャリバーL.888の搭載や、ベルト交換キットの付属など、進化も欠かしていない。未来に向けて「時を戻した」パラドキシカルな一本だ。
元ネタはコチラ
いやー、実にユニークなアプローチ。次に出てくるタイムピースが今からもう楽しみだ。
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール