4 輪操舵とダンパー・イン・ダンパーによるしなやかな走り
アクセルをひと踏みしただけで「ああ、そういう感じなんだ」とうれしくなった。先代のメガーヌR.S. トロフィーRは、近年各メーカーがスポーツカーの自信作を持ち込みその周回タイムを競うことで有名なドイツ北西部のサーキット、ニュルブルクリンクにおいてFF市販車最速を記録。その血統を継ぐモデルと聞き、相当ハードだろうと覚悟したのだが、最初のコーナーで杞憂だと思い知らされた。
走行モードを最強の“Race”にしたとて、4輪操舵とダンパー・イン・ダンパーによって、しなやかさは保たれる。それでいてタイヤはしっかりアスファルトを捉え続け、路面の荒れをも懐柔。そのあたりはいかにもフランス車だ。
F1で戦い続けるルノーの遺伝子
R.S.はロードスターの略ではなく、ルノー・スポールの意。
279PSの最高出力を誇るエンジンは先に復活して人気を博しているアルピーヌA110にも搭載されているもの。R.S.はデフォルトのメガーヌに比べフロントで60mm、リアで45mm、トレッド(左右タイヤ間の幅)を拡大。膨らんだフロントフェンダー後部に設けられたエアインテークは、ルノー・スポールが F1で戦い続けていることを思い出させるデザインだ。
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