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2018.08.24

ライフ

職場の20代に「自分の評価が低すぎる」と訴えられた


職場の20代がわからない Vol.20
30代~40代のビジネスパーソンは「個を活かしつつ、組織を強くする」というマネジメント課題に直面している。ときに先輩から梯子を外され、ときに同期から出し抜かれ、ときに経営陣の方針に戸惑わされる。しかし、最も自分の力不足を感じるのは、「後輩の育成」ではないでしょうか。20代の会社の若造に「もう辞めます」「やる気がでません」「僕らの世代とは違うんで」と言われてしまったときに、あなたならどうしますか。ものわかりのいい上司になりたいのに、なれない。そんなジレンマを解消するために、人材と組織のプロフェッショナルである曽和利光氏から「40代が20代と付き合うときの心得」を教えてもらいます。
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若者の特徴は「無知」

今回のテーマは「無知」です。個々人で比べれば、我々オッサン世代よりもモノをよく知っている人はいくらでもいるでしょうが、集団としての20代は上の世代よりも相対的に無知です。
最新技術とか時々の流行など20代が最も知っていることもたくさんありますが、時を超えた普遍性を持つ世界に関する知識や、自分自身に関する認識については、年を重ねるにつれ経験を積んで知識を積み上げていくわけですから、オッサン世代のほうがよく知っていることが多い。私も思えば無知さゆえの恥ずかしい行いを数え切れないぐらいしてきたと思います。
ただ、無知がダメということではありません。知恵がつけば怖くてできないことも無知さゆえにできることもあります。明治維新をなしたもの20代の志士が多かった。また、無知さゆえに新しい発想もわきます。変に知識があればそれに囚われて発想が枠から出ません。ともあれ、20代は良くも悪くも「無知な世代」と言ってよいでしょう。
 

無知は自信を生み出す

さて、この「無知」はさまざまなものを生み出しますが、その中で最も大きなものは「自信」ではないでしょうか。「無知さゆえの自信」。例えば、ダーウィンは「無知は知識よりも自信を生み出す」と言いました。シェイクスピアは「愚か者は自身を賢者だと思い込むが、賢者は自身が愚か者であることを知っている」と言いました。つまり、いろいろ知ると謙虚になるが、何も知らないと自信家になるとでもいうことでしょうか。
実はこのことは、心理学でも確認されています。能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアスが発見されており、これを研究者の名前を取って「ダニング=クルーガー効果」と言います(なんとイグノーベル賞を取っています 笑)。要は、能力の低い人は、自分の能力を正確に推定できず、能力不足を認識できない。これと人がもともと持っている防衛本能が組み合わさると「無知さゆえの自信」になっていくのでしょう。


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