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百貨店に就職、漫画デビューは30歳

三田さんはまさに今の漫画界のヒットメーカーである。映像化するに信頼に足る作者なのである。そんな三田さんは、大学卒業後、西武百貨店に就職した。
「学生時代に、将来なりたかったものってサラリーマンだったんです。実家が洋服屋をしていたので、親は年がら年中働いていました。それを見ていたものだから、親みたいに働きたくないなって思ってたんです。会社勤めなら週5日働いて、土日は休み。それできちんきちんと給料がもらえますよね? そんな身分がいいなあってずっと思っていたんです」。
果たして、そんな身分にはなれた。その後1年で会社を辞め、実家が経営する洋服屋さんの店主へと鞍替え。漫画家デビューは、洋服屋さん時代の30歳。ほぼほぼ初めて描いた作品が評価されたのだという。
もちろん「漫画家になるのが夢」などではなかった。なぜ漫画家になったのか。あっさり以下のように言ってのけるのだが、その深い理由はまた次回。
「それは、金のためです」。
 
【Profile】
三田紀房
1958年、岩手県北上市生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、西武百貨店の入社。実家の洋服店の経営を経て、30歳の時に漫画家デビュー。代表作に『ドラゴン桜』『インベスターZ』『エンゼルバンク』『クロカン』『砂の栄冠』など。2005年には『ドラゴン桜』で第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。現在、「ヤングマガジン」にて『アルキメデスの大戦』、『モーニング』にて『ドラゴン桜2』を連載中。
稲田 平=撮影 武田篤典=取材・文


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