世界から総勢65ブランドが出店する日本最大級の時計展「
三越ワールドウオッチフェア」。限定品、稀少モデルなどとともに奥深き時計の魅力にドップリ浸れる13日間は8月15日(水)からスタート! 今回はそこで出合える、芸術的佇まいの腕時計を紹介しよう。
ルールは、時刻の表示のみ。その条件さえ満たせば、時計製造にはどんな自由も許されている。
機構のアレンジ、高い技術の装飾、独創的な素材使いや形状など、各社が信じる美意識を思いおもいの方法・手段で見せる、魅せる。それゆえ、ときとして芸術的とさえ形容されるのだ。
わずか数cm程度の決して広くはないキャンバスに描かれた「芸術作品」。眺めているだけでなんだか幸せな気分に浸れる。なんて、センチメンタルが過ぎるだろうか。
GLASHÜTTE ORIGINAL
グラスヒュッテ・オリジナル/セネタ・エクセレンス・パノラマデイト・ムーンフェイズ
自社工房製ダイヤルで独自世界を確固たるものに
ダイヤルは時計の顔。その重要性に強くコミットするのが、ドイツ時計の名門、グラスヒュッテ・オリジナルだろう。自社の文字盤工房を抱えて、ダイレクトにブランドの世界観を表現する。
当然その美しさには定評があり、粒子状の凹凸を施したシルバーグレイン仕上げの文字盤上にはムーンフェイズ機構と、桁の境界に段差がないパノラマデイトを対角線上に配置し優れた技術力を誇示する。
線路型目盛りやローマンインデックスがクラシカルな雰囲気を盛り上げ、シンプルなその顔に華を添える。
その美的な世界観を高めるのが、ムーンフェイズ。ダイヤモンド研磨を入念に施すシルバーの月が、ガルバニック加工により着彩された鮮やかなブルーの星空にひと際映えている。
BREGUET
ブレゲ/トラディション インディペンデント クロノグラフ 7077
シンメトリックなデザインが見事な独創的クロノ
クラシックの要素を重んじつつ、常に先端の機構を探求するマニュファクチュールの姿勢を、研ぎ澄まされた美意識のもとに結実させたクロノグラフ。
時刻表示とクロノグラフを2系統の輪列に分割、その結果生じる2つのテンプと2時位置のパワーリザーブ、10時位置の20分積算計のレトログラード式の針とをシンメトリックに配置。
地板の上に仕込まれた小ぶりのダイヤルに施された手彫りギョーシェはブレゲの得意技。ガンメタルカラーにブルーとルビーが挿し色となる配色と相まった美的センスに思わず惚れ惚れする。
CASIO
カシオ/OCW-S4000C
江戸の技法で、日本製のアイデンティティを強調
ブルーの表現には、他のブランドの追随を許さぬほど強い思いを示してきたオシアナス。最新の限定モデルでは、サファイアベゼルに日本伝統の江戸切子を用いた。
製作と監修を担当したのは、三代秀石 堀口徹氏。伝統のうえにモダンを加える実力者が、ひとつずつ手作業で“千筋(せんすじ)”と呼ばれる細かな縞模様を表現。
カラーリングにおいては、カシオが得意とする蒸着技法でブルーとブラックで美しく表現した。スマホ連携可能な電波ソーラーウォッチとの合体モノで、実に頼もしい。
DE GRISOGONO
ドゥ グリソゴノ/エッチェントリカ S02
大胆なフォルム、デザイン、ダイヤモンド使い
ジュエリーにおいて世界的評価の高いブランドは、2000年から続けるウォッチメイキングでも卓越したセンスを発揮する。ミッドセンチュリーを感じるようなケースの流麗なプロポーションが、オフセンターの円の連なりとともに、見る者の心を奪う。
ケースとダイヤルには合わせて976石(約6.8ct)ものダイヤモンドがぎっしりと敷き詰められ、その上を踊るようにアラビアインデックスが配置されている。ホワイトのガルーシャ製ストラップも華か。だからこそ腕元で刻まれるのは、さぞや幻想的な物語であろう。
[イベント詳細]第21回 三越ワールドウオッチフェア期間:8月15日(水)〜8月27日(月)場所:日本橋三越本店 本館7階催物会場※本文中における素材の略称は以下のとおり。SS=ステンレススチール、K18=18金、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド