世界から総勢65ブランドが出店する日本最大級の時計展「
三越ワールドウオッチフェア」。
限定品、稀少モデルなどとともに奥深き時計の魅力にドップリ浸れる13日間は8月15日(水)からスタート! 今回は腕時計が持つ、ロマン溢れる歴史を紐解く。
時を計るという目的から生まれた時計は、人間の生活に寄り添い、それこそ長い時をかけて進化や熟成を重ね、今や完成の域に達している。
この間、日常だけでなく、冒険や挑戦の場でも変わらぬ時を刻み、その腕元で勇気を与え、励まし、偉業を支えてきたのだ。
決して後ろに戻らぬ針は、前に進む気持ちをかき立てる。そして時計が刻むのは時だけでなく、物語であることを知るのだ。
SEIKO
セイコー/プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル
未知なる深海へ挑む、その使命を背負う
セイコーは1965年に国産初のダイバーズウォッチを発表して以来、海洋開発の歴史と歩みをともにし、今も技術革新を続ける。その実力は独自の技術開発の性能規格が国内外のダイバーズウォッチ規格の制定に貢献したことでも証明済み。
そんな由緒あるDNAを受け継ぐ本作は、優れた性能で世界各国のプロダイバーからも絶大な信頼を得る。
裏蓋のないワンピース構造のケースと独自のL字型パッキンにより、高い防水性と気密性を実現。通称“ツナ缶”の名で親しまれる耐衝撃性に貢献する外胴プロテクターを採用したシンボリックなケースデザインも健在だ。
いまなお多くの謎を残している深海の世界。飽くなき挑戦はより深く、深海のベールを剥がすのだ。
2014年9月、JAMSTECの無人探査機「かいこう7000Ⅱ」に同スペックのモデルを装着し、保証深度をはるかに上回る3000m地点での駆動を確認。圧倒的な性能を実証した。
※すべての製品で同様の結果を保証するものではありません。
VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/フィフティーシックス・コンプリートカレンダー
アクティブに輝く、現代の男たちに捧げる時計
ジュネーブ最古のマニュファクチュールとして語られるヴァシュロン・コンスタンタンだが、その長い歴史は革新の軌跡でもある。1956年に誕生した腕時計「リファレンス6073」もそのひとつ。ブランド初の自動巻き式を採用し、ラグにシンボルのマルタ十字をモチーフに取り入れ、先進性を強調した。
フィフティーシックスはその歴史的傑作を現代的な解釈で甦らせたものだ。受け継がれた由緒あるマルタ十字のラグやボックス型風防を組み合わせたケースには、洗練されたレトロモダンが漂う。フルカレンダーとムーンフェイズの機能もきわめて実用的。
かつて手巻き式に対して、新たな時代の幕開けを宣言したように、現代をアクティブに生きる男たちを腕元から支えるのだ。
革新性の象徴、「リファレンス6073」が登場した1950年代は、自動巻きへの移行とともに、腕時計もより実用的に進化を遂げた時期。デザインにおいても多くの挑戦が試みられた。
CARTIER
カルティエ/サントス ドゥ カルティエ
時代を切り拓いた男の時計がさらに磨きをかけられた
アルベルト・サントス=デュモン。世界初の高級メンズリストウォッチの誕生には、この男の存在が欠かせなかった。
1904年、航空発明家である彼が飛行中に時刻を確認するためにカルティエが考案したのが「サントス ドゥ カルティエ」だ。その機能性と革新性、独創性は、1世紀以上にわたり継承され、伝統のスタイルを崩すことなく、さらなるモダニティを纏う。
ベゼルはストラップに連なり、一体感とともにエレガンスを湛える。美的洗練だけでなく、「クィックスイッチ」機構により、工具を使わず簡単にストラップやブレスレットに交換できる。それは実用的かつ優雅。男の時計のありようを今も教えてくれる。写真のグレーアリゲーターのほかにネイビーカーフストラップが付属。
サントス=デュモンは、1897年に気球での初飛行、1907年には飛行機の前身を発明した。当時3代目ルイ・カルティエとも深い交流があり、ふたりの友情が実用的腕時計を生んだ。
A. LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ/1815クロノグラフ
創業者とドイツ時計の矜持を今に継承する
A.ランゲ&ゾーネのコレクションは、ブランドの歴史に根づき、深く結び付く。
なかでも「1815」は、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲの生誕年から名付けられ、文字盤のアラビア数字インデックスとレイルウェイのミニッツスケールを特徴に、ムーブメントには洋銀製の地板やブルースクリュー、手彫り装飾のテンプ受けなど、懐中時計時代の伝統を受け継ぐ。
新たにパルスメーターを備えたクロノグラフは、よりクラシックな趣が漂うとともに、スケルトンバックからは手巻き式ならではの“時を愛でる”優美さが薫り立つ。
惜しくも昨年、4代目ウォルター・ランゲが逝去し、追悼を捧げるモデルのベースに「1815」が選ばれたのも、創業家への深いリスペクトがあってのことだ。
手巻きキャリバーL951.5は、最長60時間のパワーリザーブを蓄える。スケルトンバックからは、クロノグラフを制御するコラムホイールやフライバック機構のレバーにも視線が届く。
創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲは、旧ザクセン王国の宮廷時計師のもとで修業を積み、1845年に自らのブランドを興した。ドイツの東西分裂でブランドは一時休眠状態になったが、1990年に奇跡の復興を果たした。
[イベント詳細]第21回 三越ワールドウオッチフェア期間:8月15日(水)〜8月27日(月)場所:日本橋三越本店 本館7階催物会場※本文中における素材の略称は以下のとおり。SS=ステンレススチール、K18=18金、PG=ピンクゴールド