OCEANS

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数分後、グラス3つと一升瓶を両手に持った彼女がやってきた。
お待たせしました!
まずは、お酒の説明から。
写真左から「大信州」、「米鶴」、「群馬泉」。
「『大信州』は夏限定の清涼系、『米鶴』はさくらんぼを思わせる甘酸っぱさが特徴、『群馬泉』は私の地元のお酒で昔ながらの濃厚な味わいです」。
すごい、解説が完璧だ。しかも、いろんな飲み口を楽しめるハッピーセットである。
そんなデキる看板娘の名前は、あづささん(26歳)。出身は群馬県の高崎市。実家は樹脂加工工場を営んでいる。
メニューを綴じているアクリル板も実家の製品。
高校卒業後は薬学部に進学したが、本人いわく「バカすぎてついていけなくなった」ため中退。映画館や結婚式場のアルバイトを経て、3年ほど前に上京した。
「求人サイトで飲食店のアルバイトを探したんですが、条件は『賄いが美味しい』ということ。この店はまさに最高でした」
こちらが、とある日の賄いご飯。
「フードのほとんどは調理担当者の創作メニューだし、日本酒の品揃えにも超こだわっています」。
そうだ、熟成肉を食べないと。迷った末に、「群馬県産やまと豚ロース炭焼き(150g)」を注文した。お値段1380円。
入り口横の熟成庫の中で静かに眠る肉たち。
美味しい日本酒をチビチビと飲んでいるところへ、あづささんが再び登場。
手には……熟成肉が乗っている。
てっきり肉だけかと思いきや、メインディッシュのような装いだった。
味付けは、塩、わさび、特製ダレの三銃士。


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