いつか飽きる、と無難な色に手を伸ばす。だが、一度目を奪われた色に抗う術はない。
忘れようとしてもムダ、後悔だけが残るだろう。だからこそ直感を頼りに、色を楽しもう。
A. LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ/リトル・ランゲ1
深みのあるパープルに魅せられるワケ
まるでワインのようなパープルのダイヤルと同系色のアリゲーターストラップが、何とも上品。
フラッグシップ、ランゲ1の小型版として女性にも推奨していることからのセンスの良い色展開なのだが、内蔵するキャリバーはランゲ1とまったく同じ。
2015年に刷新されたキャリバーL121.1なのだ。つまり、男とて絶対に見逃すわけにはいかない1本だ。
OCEANUS
オシアナス/OCW-S4000S-1AJR
江戸切子で表現された幽玄な花火の色彩感覚
「青」にこだわり続けるブランド、オシアナスが限定モデルで表現したのは、江戸切子の技だ。
サファイアクリスタルベゼルに職人が寸分違わぬ精緻なカッティングを施したのち、蒸着処理を施すことで、独創的な色彩で花火を再現した。
サブダイヤルの白蝶貝とも調和して、他に類を見ない美世界が表れている。日本人らしい繊細な感性が存分に活かされた意欲作。
SEIKO
セイコー/プロスペックス 1968 メカニカルダイバーズ 50周年記念モデル ディープフォレス
美しい海を作る森林にまで思いを馳せるダイバーズ
1968年発表の、裏蓋なしのワンピース構造による300m防水性能のメカニカルダイバーズは、’70年に植村直己、松浦輝夫両氏がエベレスト登頂に携行したことで知られる。
誕生50周年を記念したこの限定モデルでは、日本有数のダイビングスポット、屋久島から着想を得たグリーンの「ディープフォレスト」を展開。見るたびに自然への思いが高まる。
GRAND SEIKO
グランドセイコー/キャリバー9S 20周年記念 限定モデル メカニカルハイビート 36000 GMT
世界基準のセラミックスで映すブランドの矜持
ブランドを象徴するカラーともいえる、「グランドセイコーブルー」。この深みある色を、近年において時計の素材としてスタンダード化するセラミックスで表現した。
ブライトチタンと組み合わせてケースパーツ、ベゼル、ブレスレットに使用し、セイコースタイルを踏襲する象徴的なデザインに仕上げられているのだ。
同色異素材のダイヤルも相まった精悍な顔つきは、真っすぐに世界を向いている。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
SS=ステンレススチール、K18=18金、WG=ホワイトゴールド