ズキュン! と本能を刺激する、男の浪漫が溢れるカラーリングとは何か。鮮やかなアクセントカラーが映えるブラックベースタイプか。大空を舞うエアーレースの爽やかさを再現したホワイト&ブルーか。はたまた…… ここで思う存分、悩んでほしい。
OMEGA
オメガ/スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン アポロ8号
月の裏側までも再現した手巻きの名作クロノグラフ
今年は月軌道を初めて周回したアポロ8号の快挙から50周年に当たる。
その記念モデルは、手巻き式の名作キャリバー1861の一部をブラックで仕上げ、レーザー加工で月面を表現。スケルトンの文字盤全面に月の地表が広がる。
しかも正面が地球から見た月の姿であるのに対し、ケースバックには宇宙飛行士だけが見ることのできる月の裏側を再現。
アクセントのイエローは、同じく50年前に視認性を高めるために初めて採用した色に由来。
BELL & ROSS
ベル&ロス/BR V2-94 レーシングバード
大空への見果てぬ夢を爽やかなカラーリングで表現
ベル&ロスの自社デザインスタジオでは、これまでもスピードと性能の追求を時計として具現化してきた。バイク、GTカー、レーシングマシンに続く最新作は、飛行機のデザインスタディとともに、その世界観を表現したもの。
アメリカのリノ・エアーレースに着想を得て、流麗なスタイルを彩る爽やかな色使いを採用し、2カウンタークロノグラフにレトロフューチャーを漂わせるのだ。
SINN
ジン/モデル 936
アクセントカラーの赤が全体を引き締め、情熱を込める
視認性の高いブラック&ホワイトの文字盤にアクセントカラーの赤を効かせ、ベルトにも赤をポイント使い。いかにもタフな面持ちに、質実剛健を地で行くドイツらしさが滲む。実際に作りは屈強で、8万A/mの高耐磁性を実現。
さらにケースには窒素をステンレスの内部にまで浸透させるテギメント加工を施し、1200ビッカーズの耐傷性を誇る。装飾性を削ぎ落としたシンプルなデザインは、航空機の計器を思わせ、まさに機能美と呼ぶに相応しい。
ANONIMO
アノーニモ/エピュラート
使い込むほどに深まるブロンズの味わいを楽しむ
ブロンズは経年変化が楽しめる素材として、近年、時計でも注目を集めている。
これをフルーテッドベゼルが付いたクッションケースと組み合わせ、イタリア・フィレンツェで生まれたブランドらしい個性とデザイン感性を表現。
文字盤は、トレンドカラーのグリーンにサンバースト仕上げを施し、トライアングル位置の数字インデックスとも美しい対比を見せる。
RESERVOIR
レゼルボワール/ティーフェンメッサー シーホーネット
シンプルなフェイスに隠された複雑機構とメーター愛
ブラックで統一された全身のなかに、イエローのみが使われるこのデザインは、メーターをイメージソースとする。
同じくインスピレーションを得たのは、潜水艦の装備や素材であり、シンプルな計時にしても、実はジャンピングアワーと240度の広角レトログラード分針という複雑機構を秘めている。
無類のメーターマニアというブランドオーナーのこだわりが存分に注がれている。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
SS=ステンレススチール、K18=18金、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、YG=イエローゴールド、Pt=プラチナ、Dia=ダイヤモンド