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2018.04.07

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「写真お願いします」が楽しみに!感謝されるための撮影テク

スマホとSNSと、イイ写真 Vol.8
誰もがスマホで写真を撮れて、SNSにアップできる時代。満喫しているオッサン世代も少なくないハズ。デジタルフォトライフをさらに充実させるためのテクニック&マナーをご紹介。ちょっと耳の痛い話もあるかもしれないけど、知っておいて損はありませんよ!
「スマホとSNSと、イイ写真」を最初から読む

パーティーや観光地などいろんなの場面で、知人・他人にかかわらず、不意に我が身にふりかかるのが「シャッター切ってくれませんか?」という使命。しかし、そもそも自分の写真ですら満足に撮れないのに、果たして慣れないスマホやカメラで人様の写真を満足に撮ってあげられるのか……とビビってしまう方も少なくないことでしょう。
人に写真を撮ってあげるときの最低限のテクニックを知りたい。
というわけで、国内外の取材旅行や登山撮影で年間外泊数100日を超える筆者が、これまでお願いされてきた無数の記念撮影依頼をもとに、僭越ながら初心者でも簡単に実践できるコツをお伝えしたいと思います。

まずは、なるべく慣れないカメラを避ける

使い慣れたiPhoneかと思いきや英語表記……
ありがちなのが慣れないスマホやカメラを渡されてあたふたしてしまい、構図や被写体の表情にまで気がまわらないケースです。外国人からiPhoneを渡されて「お、自分も使ってるから大丈夫だ」と思ったら英語表示でテンパってしまったり…。
この手の不慣れなカメラを避けるには、ずばり「自分のスマホやカメラで撮って、その後シェアする」のが一番。知人であれば「後でメールかメッセンジャーで送るね」とし、見知らぬ他人でもiPhone同士ならAirDropを使って送ってあげるなど、とにかく普段から使い慣れた自分のカメラで撮るのです。また、これをご縁にSNSでお友達になってしまう手もありましょう。
もちろんこれは、あくまで理想。いずれにせよ慣れたカメラでも、不慣れなカメラでも、まず気をつけたいのが構図です。

構図が決まっている場合は人間三脚になりきる

構図を決めて渡されたら死守すべし
相手に写真へのこだわりがあり、構図を決めた状態でカメラを手渡してきた場合は、なるべく同じ位置で受け取って構図をキープしたままシャッターを押してあげましょう。実際筆者も他人に撮影をお願いする場合、構図を固定してカメラを渡すことが多いんですが、その意図が伝わらず、カメラを抱え込んで「シャッターどこ?」とやられがち。
相手が構図を決めてきた場合、あなたに求められているのは人間三脚としての役目です。なるべく理想の構図からズレないよう、また手ブレしないように心がけるのが、最高の一枚を撮ってあげる最善策です。

相手が撮ってほしい写真をヒアリングする


そこまで厳密でなくとも、お相手の脳内で構図がほぼ決まっているケースは多々あります。
わかりやすい例でいえば集合写真。全員がフレームに収まればOKな場合から、ランドマークや風景といったシチュエーション込みで撮ってほしい場合までさまざまですが、まずは何が写真の中心で、どこまで入れたいのかヒアリングするのが先決です。
また、被写体がほしい場合や少人数の場合も、「ポスターと同じ構図で撮ってほしい」「ジャンプした瞬間を撮ってほしい」「地名の看板と一緒に撮ってほしい」といった要望があればリクエストに応えます。
もっとも「無茶だよ!」と言いたくなるシチュエーションもなくはありません。
とりわけ難しいのが逆光、たとえば「夕焼けと一緒に撮りたい」ケースなどです。明暗差が激しい環境では、露出を背景の太陽にあわせると人物が真っ黒に、露出を人物にあわせると背景の空が真っ白になってしまうのです。多少の明暗差ならスマホやカメラに備わっているHDR機能でなんとかなりますが、さすがに太陽クラスの明るさともなると無理。

そんな場合、露出は背景にあわせ、被写体にフラッシュをあてるのがベター。ただし集合写真などでカメラから被写体が離れている場合、小ぶりなフラッシュでは光が届かないので、みなさんの表情はあきらめシルエットを活かして撮るといった路線変更の提案は必要かもしれません。

自分で構図を考えなくてはいけない場合は?

しかし相手に撮ってほしい写真のイメージが特にない場合は、あなたが構図を考えなくてはいけません。
でもご安心を。実は手軽に構図が決められる簡単なセオリーがあるのです。
自撮り棒+腕の長さでだいたい2〜3mの距離
そのポイントは「自撮り棒くらいの距離で撮る」というもの。他人に撮影をお願いするとカメラからすーっと離れていって、ランドマークと一体化しようとする方が多いのですが、それだとモノの大きさは伝わりやすいものの、被写体本人の表情はよくわからないうえ、全身が入るとスタイルの悪さなどが露呈し、なおかつ他の観光客の写り込みが発生します。
被写体から離れすぎるとせっかくの記念写真が意味なしに
そのため、まず被写体はカメラから離れすぎないのがポイント。その長さは写真に入る人数にもよりますが、自撮り棒の長さプラスアルファ程度。被写体の表情がしっかりとわかるよう、またスタイルの悪さが際立たないよう、無理に全身を入れようとせず、上半身が入るくらいがベストポジション。人が大きく写ることで、他の人の映り込みを防ぐ効果もあります。あとは、背景にランドマーク全体がしっかりとフレームに収まるよう「ランドマークから離れた位置で撮る」のが秘訣。
ほど良い距離を探す
もっともカメラレンズの特性上、被写体に近寄りすぎると膨張して映る、つまり顔デカになってしまうので特に対女性での撮影は注意したいところ。表情を捉えつつも、脚の短さはわからないような、絶妙な距離を探りましょう。また、真正面ではなく、ななめに立ってもらって痩せ効果を出すのもポイント。
近づきすぎると顔デカ写真に
あとは、とにかくシャッターを何枚も切ること。プロは100枚、200枚と撮った中からベストの1枚を選んでいるわけですから、素人ならなおさらシャッターを切るべきとも言えます。

求められる1枚を撮るのも、写真の楽しさ

以上のことから、「なるべく自分のカメラを使う」「構図は被写体の要望を聞く」「指定がなければ自撮り棒くらいの距離で撮る」「女性を撮るときは要注意」「何枚もシャッターを切る」が最低限のテクニックと言えましょう。
人物撮影がひとつのお仕事になるくらい、まだまだシチュエーションや目的によって細かなテクニックはありますが、上記のことを押さえておけば、喜ばれることはほぼ間違いなし。と同時に、「写真お上手なんですね」というお褒めの言葉までもらえることも。自分のカメラで好き勝手撮ることのみならず、求められる写真を撮る。これも写真の楽しみ方のひとつです。
取材・文=熊山 准


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