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2018.01.17

ライフ

オッサンが陥りやすい「マズそう……」なグルメ写真あるある

スマホとSNSと、イイ写真Vol.3
だれもがスマホで写真を撮れて、SNSにアップできる時代。満喫しているオッサン世代も少なくないハズ。デジタルフォトライフをさらに充実させるためのテクニック&マナーをご紹介。ちょっと耳の痛い話かもしれないけど、知っておいて損はありませんよ!
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オッサンがSNSにアップする写真の無難ナンバーワンといえば、「今日食ったメシ」ではないでしょうか。家と会社を往復しているだけ毎日では、日替わりでカラフルな出来事が起こるはずもなく、いきおい本日のランチか晩飯の写真に落ち着きがち。頑張って「カフェで一服する意識の高い朝」「たまの飲み会で使った話題のお店」くらいが関の山。
「だからこそ、せめて綺麗に撮って欲しいと思うんです」
と「オッサンのグルメ写真」に苦言を呈すのは、個人ホームページ時代から活動を続け、SNS黎明期よりネットをウォッチし続けている著名ブロガー・Izuminさんです(Instagramのフォロワーは5000人超)。
「おそらく、おじさんがFacebookやInstagramに投稿するグルメ写真って、『おいしいご飯を撮った作品』というより『食事の記録』なんですよね。なのでおしぼりやビニール袋が映り込んでいても平気でアップしちゃう。あるいは、毎日ラーメンやデカ盛りグルメばかりが続いてしまう。私もラーメンが大好きなので否定したくないんですけど、人に見せる写真ということを意識して綺麗な写真を追求しましょうよって思うんです」
言われてみれば、SNSにアップするかどうかは別にして、なにかの使命を受けたかのごとく毎食グルメ写真を撮っている自分がいます。では自己満足の「記録」から、人様に楽しんでいただける「作品」へと昇華するにはどうすればよいのでしょう?
「まず、先ほど言ったように変なものが映り込んでいないかテーブルを綺麗にすることと、フラッシュを使わないことをオススメします。フラッシュを使うと光がギラギラと反射して食べ物がおいしそう見えないからです。ライティングは食べ物に限らずけっこう大事で、光の入り方次第で料理の表情がまったく変わるんですが、こればかりは通された席次第なのでアドバイスが難しい……。でももし席が選べるなら、『料理のななめ後ろから太陽光や照明が指す(逆光の)場所』と覚えておいてください」
ちなみに同じ場所でフラッシュありのNGカットと、順光と逆光を、わかりやすいようデジカメで撮影した比較写真がこちら。
フラッシュとおしぼりのビニール袋ありのNG例
左ななめ前から照明が当たった順光の例
右ななめ後ろから照明が当たった逆光の例
順光か逆光かは好みの問題かもしれませんが、確かに全然違うかも! もっとも、現実はさまざまな角度から、いろいろな光がミックスされがちなので、ライティングをスマホカメラで究めるのは難しいかもしれません。
「その上で構図を考えましょう。インスタだと真上からの写真だとウケがいいかもしれませんが、メニューによっては盛りというか立体感が重要なので、ななめ上から撮った方がおいしそうに見えることもあります」
なるほど。そういえばかつて筆者もグルメ写真が得意なフォトグラファーから「料理には正面がある」「料理によってベストな角度が違う」と聞いたことがあります。まずはその正解を探すことが大事なのかもしれませんね。他にはどんなノウハウがありますか?
「動きがあるほうがおいしそうに見えるので、ラーメンや蕎麦だと箸で麺をもちあげたり、カレーならスプーンですくったり、ホットケーキならシロップをかけている途中を狙ったりと工夫するのがいいですね」
躍動感大事と。ただ、グルメ写真を追求するのもほどほどに、とIzuminさん。
「出されたお料理を食べずにずーっと撮っているのもお店に失礼ですし、スマホカメラのシャッター音を何度も響かせるのは他のお客さんに迷惑です。お料理は出されたら消音カメラでさっと撮っておいしくいただくのがマナーだと思います」。
短い時間の中でスキルが求められるグルメ写真。いずれにせよ「撮った写真がおいしそうかどうかは、一緒にいる人に判断してもらい腕を磨く」のが大事だとか。おいしそうに見えないならアップしない、もしくはFacebookやInstagramのストーリーズ(24時間で消える機能)にアップするに留めるのも手かもしれませんね。
取材・文/熊山 准
 


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