特集「男はどうして旅に出るのか?」
なぜ旅は、いつの時代も男心をかき乱すのか。年を重ねると、長旅に時間を割くいとまもないかもしれない。しかしそこには紛れもなくロマンがあり、胸を熱くする体験が待つに違いない。今回は、バカンスに欠かせない南国ビーチの情報を。日々の疲れを洗い流す寛ぎの場所を紹介しよう。
旅は心を洗濯する術のひとつ。そんな時の旅先の第一選択は、南国だ。極上の青い空と海の力を借りて、鬱屈とした日々の疲れも吹っ飛ばしたい。そこで、『アナザースカイ-another sky』(日本テレビ系列)などのテレビ番組や、海外の観光局のPR映像、ドキュメンタリーまでを手がける制作会社に所属する、ディレクター・八巻尚人さんとカメラマン・勝野 賢さんに取材。数多の国を巡ってきた彼らに、これまで出会った中で最も美しかったビーチを教えてもらった。
アラビア海に浸る快感。喧騒から離れたリゾート・アンジュナビーチ
「ひたすら海が綺麗 ! アラビア海に浸かってるという感覚に気持ちが昂ぶる!」(八巻さん)というのが、世界的リゾートであるインドのゴア州・アンジュナビーチ。雑然としたインド北部の喧騒から離れ、静かにゆったり過ごせる安息の場所である。
ゴアは16世紀にポルトガルの貿易拠点として建設された都市。アンジュナビーチからは少し離れるが、フランシスコ・ザビエルの遺体が安置されているボム・ジェズ教会など、キリスト教色の色濃い建物群でも有名だ。「インドは南に行ったほうがご飯が美味しい。インドは“冗談みたいな国”と思ってないと楽しめない。逆にそう思っていれば最高の旅になる」(勝野さん)とのこと。
透明度の高さに感動。マンタにも出会えるサーファーの聖地・ヤップ島
「とにかく水の透明度が高いのが魅力。シュノーケリングでマンタに出会うこともできて、感動すること間違いなし」(八巻さん)。サーフトリップ先としても人気の島。石の通貨がつい最近まで使われ、直径3m以上のものもあるなど、文化的にも興味深い。
アメリカの信任統治を経て、現在はミクロネシア連邦に属しているが、第二次世界対戦時には日本の統治下に置かれていたため、日本語話せるご老人がいたり、レストランに日本料理のメニューがあったりするのも面白い。「原住民の森の中には許可がないと入れませんが、伝統的な文化を大切にしていて、その衣装や舞も素晴らしい!」(勝野さん)。
遠浅が続くパウダーサンドの砂浜。夕日が美しいボラカイ島
ふたりがフィリピン観光局の仕事で訪れたという、フィリピンのボラカイ島。「とくに夕日が絶景」と勝野さん。2015年には口コミサイト「トリップアドバイザー」でアジアNo.1ビーチとして選出された美しさは本物だ。しかし現在、排水による環境汚染が進み、政府より閉鎖勧告が出されている。勧告期限は2018年4月から半年となっている。
インド洋に沈む夕日は必見。バリ島・クタビーチ
いまや鉄板の観光地になったバリ島の代表的ビーチ。延々と砂浜が続く広大なビーチで、インド洋に沈んでいく夕日は極上。大型ショッピングモールやホテル、レストランが軒を連ねる場所にあるため、家族連れが行きやすいことも魅力のひとつだ。
抜ける青空の下、ビーチで軽い味のビールで喉を潤す。オッサンの心をこれほど癒してくれるものがあるだろうか。旅先候補にぜひ入れていただきたい。
取材=岡野ぴんこ
文=芋川健