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2018.02.03

たべる

ワインが惚れる缶詰4種。缶詰バル「Zíbunchi」で幸福なひとときを

たのしい缶詰ライフ vol.4
オッサンの楽しみ、手軽な晩酌のおともである缶詰。その魅力は、開けるだけで料理が一品増やせる、そんな利便性の高さだけではない。近頃はインテリアにもなりそうなオシャレなデザインの缶詰が登場するなど、男のコレクション心をも、どこかくすぐる存在となっている。そんな缶詰の魅力に浸るこの連載。お気に入りの一杯を携えて、お付き合いいただきたい。
「たのしい缶詰ライフ」を最初から読む
グラス片手にぱかっと開ければ、即開店。
いらっしゃいませ。缶詰バル「Zíbunchi」へ。
はい。ワインはいつものアレですね。
でしたら、つまみにはこちらの缶詰なんかがオススメです……。
かしこまった店で飲むのばかりがワインの楽しみ方ではありません。手軽に缶詰なんぞをつまみながら、我が家で楽しむのもまた良いもの。
今回は、缶詰ブームの先駆けとも言える書籍『缶つま』(世界文化社)などで料理製作・スタイリングを手がけてきたフードスタイリスト・缶詰料理研究家の黒瀬佐紀子さんに、ワインのつまみにおすすめな缶詰を4つ選んでいただきました。
「肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン。などとも言われますが缶詰の場合は、肉か魚かというよりも、味付けが濃厚なものは赤ワインに、さっぱりめのものは白ワインに合うと覚えておくと良いでしょう。もちろん、これにとらわれず自由に合わせて楽しめば、それがあなたにとってのベストです。今回は、たくさんある候補の中から特に男性に試していただきたい缶詰を選んでみました」。(黒瀬さん)
 

『金華サバ味噌煮』

500円[税込]/木の屋石巻水産
旨味と脂乗りの良さで知られる金華山沖のサバ。その中から毎年旬の時季に、石巻港に水揚げされた大型のサバを生のまま手詰め。味付けは地元産の味噌と、柔らかな甘みの喜界島産粗糖で、残ったタレまでが美味しいと評判のサバの味噌煮缶。季節限定生産の数量限定なので、見つけたら手に入れておきたい。

【黒瀬’s おすすめポイント】
「100円から売っているサバの缶詰ですが、さすがにこちらはひと味違います。大ぶりのサバが丁寧に手詰めされており、味噌の風味が効いたコクのある味付けで上品にまとまっています。意外に思うかもしれませんが、味噌と赤ワインは相性がいいんですよ。さらにチーズを加える洋風アレンジで、より赤ワインとぴったりなつまみに変身します」。
 

『缶つま★レストラン 牛肉のバルサミコソース』

480円[希望小売価格]/国分グループ本社
開ければそのままおつまみになる缶詰、それが『缶つま』。同社『缶つまレストラン』は、“缶詰だからおいしい”素材を選んだ、レストランに出てきそうなワインに合う洋風のおつまみシリーズ。この缶詰は、牛肉をバルサミコソースで味付け。そのまろやかな酸味が牛肉の味を引き立て、噛むほどに旨味が広がる。

【黒瀬’s おすすめポイント】
「ワインと同じく、ブドウから造られるのがバルサミコ酢ですから赤ワインにぴったり。肉や魚介の缶詰の多くは温めることでより美味しくいただけます。特にこの缶詰は、冷えた状態ではゼリー状に固まっていますが、ソースが溶けているほうがおいしいのでぜひ温めて。いろいろアレンジするのも良いですが、この肉汁の混じったソースをバゲットにつけて食べるのが最も手軽でおすすめです!」。
 

『おいしい缶詰 牛肉のビール煮(カルボナード風)』

650円/明治屋
カルボナード(・フラマンド)とは、牛肉をビールで煮込んだ甘い味付けのベルギーの郷土料理。この缶詰は、真空調理した牛肉をラガービールとデミグラスソースで煮込み、柔らかく奥深い味わいに仕上げた一品となっている。

【黒瀬’s おすすめポイント】
「ビールで煮込んだ牛肉ですが、ビールだけに合うということもなく、やはり赤ワインにも合う味です。これも冷えた状態ではゼリー状になっている汁がおいしいのでぜひとも温めて食べてください。食べ方も同じ、バゲットにつけて食べるのがやはり最も手軽でおすすめです。上の『牛肉のバルサミコソース』と、食べ比べても面白いかもしれませんね」。
 

『特選まぐろオリーブ油漬』

720円[3缶セット]/由比缶詰所
鮮度のいい夏のびん長まぐろを、地中海の太陽と大地が育んだオリーブの実を搾った100%ナチュラルなオリーブオイルに潰けて熟成。オリーブの持つ豊かな風味が、まぐろの味を一層引き立てている新しい味わいのツナ缶。同商品シリーズの大型缶は「農林水産省食品流通局長賞」も受賞している。※紹介商品は小型缶

【黒瀬’s おすすめポイント】
「ほぐし身の“フレーク”と、ごろっとしたまま入っている“ファンシー”の2種類から選べますが、つまみならファンシーを選ぶべき。しっかりとしたマグロの身は食べ応えも抜群。スーパーで安売りされているツナ缶との違いを楽しめます。こちらは、白ワインを合わせるのがいいかもしれません。そこにディルなどのハーブを添えれば、よりワインとのマリアージュを楽しめるでしょう」。
もちろん、味の好みはひとそれぞれ。今回紹介した缶詰が、ほかの酒に合わないこともないし、逆にワインに合う缶詰はほかにもたくさんありますよ!
手軽さ優先、パカっと開けてすぐにツマむも良し。ひと手間かけてからツマむも良し。
あなたのすべてのワガママを叶える缶詰バル「Zíbunchi」。あなたが飲みたいと思ったときから営業しています。
住所:あなたの自宅
営業時間:飲みたいとき〜何時でも
チャージ:なし
※写真の料理は黒瀬さん発案のレシピを参考に筆者が独自に再現したものです。黒瀬さんの意図したものと必ずしも一致しない場合があります。
【取材協力】
黒瀬佐紀子/フードスタイリスト、缶詰料理研究家。著書に『缶つま』(世界文化社)、『さば缶ダイエット』(主婦と生活社)、『缶詰食堂』(文化出版局)ほか。食に関わるイベントの企画や講師など、幅広く活躍している。
オフィシャルウェブサイト omeletyellow
【問い合わせ先】
『金華サバ味噌煮』木の屋石巻水産
www.kinoya.co.jp
『缶つま★レストラン 牛肉のバルサミコソース』国分グループ本社株式会社
www.kokubu.co.jp

『おいしい缶詰 牛肉のビール煮(カルボナード風)』明治屋
http://delicious-canned.com
『特選まぐろオリーブ油漬』由比缶詰所
www.yuican.com
文・料理作成=宇都宮雅之
 


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