名前くらいは聞いたことがあるってブランド、結構あるでしょ? でも、その歴史やポリシー、生産背景まで深く理解すればきっと愛着も増すはず。
そこで、いい大人が今知っておくべき優良銘柄24本をカテゴリー別に紹介。最終回は、メガネの世界的産地にも数えられる日本の有力ブランドを紹介する。
>時代編 >モード編 >海由来編 JAPAN 福井県鯖江市を筆頭に、日本の職人が作るメガネは世界的にも広く知られた存在。そんな世界が認める日本の感性を、これらのブランドからはヒシヒシと感じるんだ。 KOKI THE MASUNAGA マスナガ 光輝 メガネ2万5000円/オブジェ・イースト 03-3538-3456、ニット2万1000円/RHC(RHC ロンハーマン 045-319-6700) 寒村だった福井県・鯖江にメガネの一大産業を切り拓いた増永五左エ門の遺志を継ぐべく、1905年に誕生したマスナガ 光輝。分業の多い鯖江のメガネ産業のなかにあって自社一貫生産を貫く貴重な存在でもある。
技術開発は日夜進歩しているが、その技術を用いた自由なデザイン性も持ち味。近年はデザイナーの高田賢三とのコラボでも話題となり、パリのメガネ展示会「シルモ」で賞を受賞している。
EFFECTOR エフェクター サングラス2万8000円/オプティカルテーラー クレイドル 青山店、ジャケット2万8000円/ロットワイラー(アドナスト 03-5456-5821)、シャツ2万7000円/ロンハーマン 03-3402-6839 ロックンロールカルチャーをバックボーンとし、2005年にデビューしたエフェクター。
極太のセルフレームをはじめ大人の不良性を感じさせるプロダクトを得意とし、インパクトの強いデザインやブランド哲学に共感するクリエイターも多い。そのため、彼らとのコラボレーションも頻繁に行っている。
KANEKO OPTICAL 金子眼鏡 3万2000円/オプティシァン ロイド 03-3423-0505 金子眼鏡は、舶来モノのメガネこそ至上、なんていう時代に鯖江のメガネ職人の名を立て、メイド・イン・ジャパンのメガネ産業がいかに優れているかを世に知らしめた。
そんな職人シリーズはいまだ健在で、モードなデザインのスピビー、近年実現したイッセイミヤケとのコラボレーションもラインナップ。写真は、当時のオリジナリティを今に伝える看板ブランド、金子眼鏡のモデル。削り出した木のようなビジュアルが面白い。
HAKUSAN MEGANE 白山眼鏡店 3万2000円/白山眼鏡店 WALLS 03-5468-0397 東京・日本橋の人形町で1883年に創業した老舗眼鏡店をルーツに、終戦直後から上野で営業を開始した白山眼鏡店。そのオリジナルフレームとして1975年にスタートしたのがこちら。
当初からメガネをファッションやカルチャーと結び付け、凝ったビジュアルのカタログも発行。現在も時代を反映した秀逸なデザインを輩出する。ジョン・レノンからも贔屓にされ、彼が最後に掛けていたのもこのブランドのものだった。
AYAME アヤメ 3万円/アヤメ 03-6455-1103 好感度なファッションを身近に触れ、感性を磨いてきたディレクター、今泉悠が2010年に立ち上げたブランド。
メガネに対する美意識が強く、日本人の骨格を徹底的に研究したサイズ感を確立するなど、「メガネは全方向で美しく見えるべき」とデザイン追求の手を緩めない。業界に染まらない自由な発想で創るデザインは、プロダクトとしての佇まいも美しい。もちろん、その時代のファッショントレンドと絶妙にリンクするのも特徴だ。
いい大人になったらいいアイウェアを。そんな目線でアイテムを探していけば、自然とジャパンメイドに行き着く。長い歴史を有し、作りにおいて一切の妥協を許さない。そんな日本の丁寧なモノ作りを表すひとつとして、やはりアイウェアは看過できないのだ。
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク