ひとつのトレンドではなく、もはや定番になった感のある“街で着るアウトドアウェア”。当然、ファッションの世界に身を置く業界人たちだって、熱視線を注いでいるようで。
そんな服のプロたちが、この冬に買ったアウトドアなアウターとは? シェル、ダウン、フリースなど、機能性とデザインを両立した優秀アイテムが勢ぞろいだ!
フリープランナー
種市 暁さん (45歳)
「ノンネイティブ」のフリースジャケットパンツ/デンハム、ブーツ、キャップ/ともにノンネイティブオーシャンズの本誌連載でもお馴染みの種市さんが、インパクトある色みに一目惚れしたというのが、ノンネイティブのフリースジャケット。「ここ最近はずっとモノトーンコーデが多かった。その反動からか、気分転換したくて。鮮烈な色がトレンドになりつつありますしね」。
ダークなボトムスと合わせてアーバンアウトドアな雰囲気にまとめるのが気分だとか。キャップでアウターのブラウンを拾ったのも統一感を出すテクニック。
「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」クリエイティブディレクター
松本真哉さん (41歳)
「キャプテンサンシャイン」のダウンジャケット「ギアっぽくないダウンをずっと探していた」と話す松本さん。ダブルチューブという特殊な製法によるボリューム感がアウトドアライクながら、ノーブルなネイビー、ウエストを絞って着られる仕様にエレガンスを感じたのが決め手だという。
「いつものアイテムに合わせるだけでも、こんなに個性的なシルエットになるんです」。上品なスタイルの中に、スケートシューズでヌケ感加えたのもポイントだ。
「ディストリクト ユナイテッドアローズ」セールスマスター
森山真司さん (49歳)
「パタゴニア」のフリースジャケット森山さん世代にとって懐かしい存在だというパタゴニアの「名作レトロX」。「馴染みはありますが、初めて着ました(笑)。シンチラタイプではなくボアフリースを選んだのは、クラシック感を追求したからなのかも。ブラウンを選んだのは、今年気分なアースカラー基調のジャケットスタイルにも意外とハマるから」。
その感動から、現在、アメカジ×トラッドのミックススタイルをいろいろと試しているのだとか。
「ブラックフライズ」企画・プレス
鈴木淳一さん (44歳)
「パタゴニア」のシェルパーカ40歳を超えてもなお現役のスケーター。加えてマラソンや自転車などとにかくアクティブなライフワークを持つ鈴木さん。「イスマス・パーカは、高い機能性でアウトドアでも活躍するうえ、デザインも普段の着こなしにもしっかりとハマる万能型」。
街ではアメカジ一辺倒だというその着こなしにもご覧のとおり。デニム・オン・デニムでワークブーツを履いたラギッドなスタイルの主役として活躍しているではないか。
「ニューバランス」商品企画
松本充史さん (36歳)
「ニューバランス×チャリ アンド コー×ビームス T」のフリースジャケット各ブランドとの別注など商品企画に携わる松本さんが選んだベストアウターは、自身が企画にも携わった思い入れの強い1枚。
「ディテールを削ぎ落とし、ストリートとスポーツの要素が融合。単色のフリースジャケットって珍しいですよね。これまでスニーカーのイメージが強かったブランド色を一変させる、納得の仕上がり!」。ネイビーワントーンで、松本さんが理想としていた“清潔なストリート”の完成だ。
「デンハム」リテールマネージャー
白澤 研さん (36歳)
「デンハム」のダウンジャケット「ナイロンでは出せない柔和な雰囲気が好み」。白澤さんが選んだのは、高級ウールメーカーとして名を馳せるカッセンティーノ社の生地を使用したダウンジャケット。
フリースに近い独特の素材感、ボタンにコンチョを使用するディテールへの強いこだわりが、いつものデニムスタイルにニュアンスを加えてくれる。「裏地のイエローがアクセントになるので、ほかのアイテムは落ち着いた色みでもOK!」。
「グラッシーズ」常務取締役
漆畑博紀さん (42歳)
「パタゴニア」のシェルジャケットこの4年間どっぷりアウトドアにハマり、時間さえ許せば山に向かう漆畑さんの休日スタイル。「ついコテコテのギアっぽいアウターを買いがちで。街と山で兼用できるのがベスト!」。
そんなニーズをかなえてくれたのがライトブルーのパタゴニアの「クラウド・リッジ・ジャケット」。「普段は落ち着いた服ばかりですが、思い切って派手なヤツに挑戦。挿し色にするだけで、いっきに軽やかな印象になりますよね」。
「ユナイテッドアローズ&サンズ」バイヤー
鷲頭直樹さん(44歳)
「デサント オルテライン×ユナイテッドアローズ&サンズ」のダウンジャケット最新鋭のテクノロジーとトラッドの要素をミックスしたデサント オルテラインの定番である「マウンテニア」。そのシルエットを大きめに設定して、スーツの上にも羽織れるようにアレンジされた別注ダウンだ。
「グレンプレイドの転写プリントで、アウトドアブランドのものにはない上品さがツボ」。そのリコメンドのとおり、鷲頭さんは上品なグレースラックスと合わせ「最も都会的なダウンスタイルじゃないかな」。
暖かくて、着心地が良くて、お洒落。アウトドアウェアは、オッサンにもさまざまな恩恵をもたらす高機能なアイテムだ。かといって、全身アウトドアに振りすぎないのが、タウンユースでの着こなしの鉄則。トータルバランスには、くれぐれもご注意を。